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海運ニュース

2022.05.24    カテゴリ:  コラム 

   挑戦せずして成功はありません

何かを得るためには何かを捨てる必要があるといいますが、魚を得るために命を捨てる必要はありません。

日曜に友人から鳴門海峡にアホがいると送られてきた写真
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二年前も明石海峡の子供を乗せた小型ボートの無謀さがYoutubeでかなりの批判を浴びていましたが
釣りブームとは言え、いわゆるフィッシングカヤックで鳴門へアタックする更なる無謀な挑戦。
山で言ったらサンダルにTシャツで富士山に登るようなものです。





内航船と漁師のトラブルは、よく見られる光景ですが、最近では、釣りをするプレジャーボートが荷役中の船にベタ着けして釣りしてたり
岸壁の釣り人の針がロープに巻き付き、気づかず船員の手に刺さる件や岸壁の釣り人の車にレッドが当たりトラブルなどよく聞かれます。レッドと車のトラブルについては、PIが使えますので不用意なトラブルに発展しないよう気を付けてください。

知床の事故にしろ、こう言った小型ボートの危険行為にしろ、海が危険、船が危険、事故があったから厳しくしろではなく
元々、海も船も危険なモノなんです。板子一枚下は地獄。

我々の実務も同じで船でケガは運が良ければ大ケガ。普通に死にます。
船員不足で未経験者も多く入れていかないといけないなか、業界の魅力と同時に厳しさ(危険)も伝えていかないといけないと思います。

労災で休業や死亡は補償してくれても、生身の身体は補償してくれません。


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2022.04.27    カテゴリ:  コラム 

   海難事故に想う

海難事故が起こると必ずテレビに自称専門家として出てくる専門家っぽい人もいますが。
現場を知っている専門家としての解説です



内航船として使用される一般商船でも、サブスタンダード船が何年も前から国際問題となっています。
再利用と言えば聞こえがいいですが、法の抜け道、脱法です。

内航船でも、しばし問題になりますが、会社の都合と船長判断。
船長は、人命、船舶、積荷その他の財産を預かる責任があります。
航海当直者も同じで、居室で休息している船員の命を預かって当直をしています。
もちろん陸側にも、お金ゲージでいろんな都合があります。

安全は全てに優先すると言う言葉がありますが、安全よりも大事なのは命です。
今回、イマーションスーツがあれば、少しの命でも助かったかもしれない。
膨張式筏があれば、もしかしたら助かったかもしれない。

そして、天気は景気と一緒でコントロールできません。

Windyが真っ赤でも走れる天気もあれば、石廊崎2.5m予報でドッタンバッタン必死な時もあります。

STCW基本訓練についても19GTでしたら除外です。
大半の運航会社は、旅客を扱う特性上、STCW並みの自社訓練、自社教育はなされていると思いますが
19GT以下の旅客船は必要な訓練だと思うし、旅客船こそ受けるべき訓練だと思います。

2020年11月19日の坂出沖で起こった、修学旅行の生徒を乗せた19GT小型旅客船の沈没事故も含め、
今一度本質を見直すべきではないでしょうか?


偶然とは言え続きますね。



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2022.04.02    カテゴリ:  コラム 

   2022年度 新人船員へ贈る言葉 【安全編】

新人船員の皆さん、船は板子一枚下は地獄と言われるように危険と隣り合わせです。

ロープが当たれば死にます。

ウインチに挟まれたら死にます。

高所から落ちたら死にます。

とにかく死ぬな!

労災や保険でお金は補償してくれても人生は補償してくれません。

安全は、荷主様、オペレーター様の為ではなく自分の命を守る事が第一です。

その安心な状態で初めて、安全基準が守られ、安全輸送、安定輸送に寄与できます。



それでは、どうぞ








こうならない為に安全があります。

もう一度言います。とにかく死ぬな!

時に危ない時に上司から雷が落ちる事があるかもしれません。

怒られて良かったと思ってください。一歩間違えたら死ぬんです。腹立つどころじゃやないんです。

とにかく死ぬな。死なない為に安全があります。


安全と子育てから考える 危険な事を教えるには?(2020.6.5)


安全とは・・・ (2020.8.27)

2022.04.01    カテゴリ:  コラム 

   目に見えるものが真実とは限らない。


目に見えるものが真実とは限らない。

何が本当で何が嘘か。

我々が見ている総連の財務諸表は本当の数字なのか?埋蔵金はないのか?

5億のEB債運用で2000万の評価損は本当なのか?その責任は誰が取るのか?

前理事長は、何故任期途中で慌てて退任したのか?

コンフィデンスマンの世界へようこそ。

2022年4月1日 おはようございます 








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2021.05.31    カテゴリ:  コラム 

   来島海峡の事故について



残念ながら1名の死亡確認 未だ2名行方不明ですが、
投げ出された乗組員9名のうち4名を救助したのが井本商運株式会社所属 
船主 誠洋汽船株式会社の499コンテナ船 たかとり
今年の3月に山中造船にて竣工したばっかりの新造船です。

http://yamanaka-zousen.co.jp/wordpress/?m=202103


4人救助船長「乗組員は左後ろ部分に外国船船首が衝突と話す」【NHK】

まだ30歳と若手の岩間孝典船長の素晴らしい判断とシーマンシップだと思います。
小型船舶の試験では落水者救助のテストがありますが、実際に落水者を救助するには小型ボートでも大変です。
499コンテナ船だとデッキから水面まで3m~4m。船に搭載しているハシゴでも水面には届きかねると思います。
潮流がある中でスラスターやプロペラに巻き込まれないよう救助者に近づくのは至難の技だったと思います。

事故の詳細、原因についてはAISデータやSNS情報で様々な事が言われていますが、
原因については、公的機関が最終的にキチンと判断してくれるのでそれを待ちましょう。

事故については、複合的考える必要があります。
両船の付近同航船の状況はどうだったのか?
外国船に対するマーチスの指示は、どうだったのか?
両船の意思疎通はどうだったのか?

言える事は、ただ一つ 外国船には近づくな。大きく避けろ。


そして、来島海峡追い越し禁止ルール、もう一度見直した方がいいんじゃないですか?

超鈍足の外国船を先頭に大渋滞。
マーチスからは速力調整してくださいって言いますがFPPだと中立にするしかありません。
速力調整できるCPPも速力落ちたら舵が効きません。
そちらの方が危ないと思います。

近年稀にみる、大型内航船の事故です。小型外国船の往来も多い瀬戸内で禁止禁止でかえって、
不自由な状況にするのではなく事故をできる限り、少なくする仕組みが必要です

船は、車と違ってブレーキもありませんし、潮流に風に流される事もあります。
タンカーの着桟ルール 50mで平行維持なんて操船した事ない人が考えたとしか思えません。
動きや流れのある中で平行にしようとするから、ロープ巻き込み事故が多発するのです。
スラスターの網目を小さくしたら巻き込み事故が減るなんて事はありません。
かえってスラスターの効きが悪く事故に繋がります。


タンカーの着桟事故をなくす方法は、ただ一つ

全船、タグボート着桟。

それでも事故はゼロにできないかもしれません。

そして、ヒヤリハットを提出すると評価される風潮。これも何だかおかしい気がします。
私は、それがヒヤリハットをたくさん出すのが正と思っている会社こそ、ヒヤリハットだと思います。

内航でよく見られる事故の多くは、当人のドンくさい事例(通称:ドンくさいZ)によるヤハリヒット(いつか事故になると思っていたら、案の定事故にななった)

ハインリッヒの法則を否定しているわけではありませんがドンくさいZのおかげで多くのまともな人に手間を増やす事になっている状況が多く見て取れます。

「ハインリッヒの法則」」とは、労働災害の分野でよく知られている、事故の発生についての経験則。1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件の異常、いわゆるヒヤリハット(ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態)が隠れているというもの。「1:29:300の法則」とも呼ばれます。


こういった事故があった際、自分ならどうするか?
今は、昔のように武勇伝を語れるような経験を積まずに失敗が許されない世界です。

どうあっても事故は起こるものだから,そこから学んで次に活かす事が大事だと思います。

2021.03.16    カテゴリ:  コラム 

   問題

本日、私が知る限り 波方造船所、矢野造船、新来島どっく波止浜、三浦造船所、本瓦造船にて進水式がありました。
今日に限らず、波止浜湾内で1時間の間に3つの造船所で進水なんてことも珍しくありません。

さて、問題です。

1ヶ月のうち、大安吉日や友引は他の日もあるのに何故、このように進水式が同じ日に被るのか答えよ。

答えは、E-SHIP JPAN 公式LINEにて発表いたします

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矢野造船 坂本海運



三浦造船所 大寿汽船

本瓦造船 冨士汽船



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2021.01.11    カテゴリ:  コラム 

   【注意喚起】 日本人をダメにするお酒、ストロング系酎ハイは毒水です

先日、ヤフーニュースにストロング系酎ハイの記事が載っていました。

500mL缶3本飲むと自分を失って……ストロング系チューハイに「薬物」としての対策が必要なワケ

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ここ数年、酒税法の関係でストロング系のお酒をよく見かけるようになりました。
私は、お酒が大好きですが、ストロング系には手を出しません。

10年くらい前だった記憶ですが、普段は、キリンの氷結レモンを愛飲していますが、妻がこっちの方が安かったからとストロング系を買ってきました。
氷結に比べ、あんまり美味しくないなと思いながらも飲んだ記憶です。
ただ、350だったか500だったか、1本で頭に来るような(悪酔い)刺激で、一瞬、妻に何か盛られた(薬物)かな?と思ったほどです。

ストロングを飲む人に聞くと、少ない本数で酔えると答えます。

即酔える"ストロング系"酎ハイに溺れる人たち

昔のアル中の代表格 ワンカップと大五郎からストロングへ変化しています。
テレワークが増え、飲酒状態でWEB会議に出たり、アル中になりやすい環境になりつつあります。

酒が人間をダメにするんじゃない。人間はもともとダメだということを教えてくれるものだ。by立川談志


アルコール症スクリーニングテスト AUDIT

私を知っている人からしたら、お前が言うな!と思う方もいるかもしれませんが
そんな私がストロング系は、ヤバイと思っているので、そこはご査収ください。


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2020.08.27    カテゴリ:  コラム 

   安全とは・・・

危険がなく安心なことであり、安全担当者が荷主様を納得させるルールを作る事ではありません。

高さ6.75m以上の高所では、使用する墜落制止用器具をフルハーネス型に原則化するとなりました。
(2019年2月1日に施行)

船の作業で頻繁にあるわけではないですが、高所作業の一つにマストの電球交換があります。
安全云々の前によほど高いところが好きじゃない限り、安心じゃない作業です。
安全帯付けようがフルハーネスだろうが一本吊りでは、掛替がリスクです。

そこで、安心な状態でマスト作業をするために墜落防止ガイド付きのマストがあります
マストを倒す貨物船では、設置事例は少ないのですが、タンカーや大型船では多く採用しています。
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ここで重要なのは、ガイドのサイズと背当てのセンター棒です。センター棒があるなしでは、たとえガイドがあったとしても全く恐怖心が違います。
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そして、枠のサイズ 極端な体型(ライト級・ヘビー級)は別として、一般的な体型ならこの60cmが黄金比率
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ステップから背当て棒までが60cmです。
これにより、ステップを持つ手と足と背中の3点4点支持になり安心して登れます。
一本吊りハーネスでも片手、両足、背中でフックの掛替えができます。
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安全は全てに優先すると言うのが現場を伴う全業種に言える事ですが
この内航の安全を見聞きしてきて、なくならない事故、事故ごとに増える無駄な手順、作業、禁止事項。

先日、ネットニュースを見て、腑に落ちた部分があります。

泳げる川、安全な川はありますか?→岐阜県「ありません。」

まさしく、内航もこれだと思います。
ロープ事故、ロープに跳ねられたら、死にます。ウインチに巻かれたら死にます。マストから落ちれば、死にます。
誰も死にたく有りません。だから気をつける。安全対策の前にそこが抜け落ちているような気がします。

タンカーに多い、着桟トラブル。
船は潮、風に流されます。車のように、はい!そこで一旦停止なんてできません。ブレーキもありません。
それを岸壁から50m並行保ちなさいでは着桟の流れを邪魔をしているだけです。
それだけロープを繰り出し、平行保とうとすれば、スラスター巻き込み事故も増えます。

タンカーでの着桟事故をなくしたければ、全船タグ着桟を強制 それでもゼロにはならないでしょう。
着離桟コスト考えたらとんでもないことになりますので現実的ではありません。

【参考資料】
[日本と欧米の安全に対する考え方の比較表]
(中央労働災害防止協会資料)
Screenshot_2020-08-27 ( ※:TSAHP:4月回・管理・原稿:) - tsa33 pdf

安全に関する考え方で、日本は「優秀な人材育成こそが安全」、
欧米は「機械は本来危険なものである」「人間は間違いをおこす」という相違がある

もちろん、海運事業者として安全は何よりも優先する事は基本です。

海上経験がある安全担当者でも船長、機関長経験なければ、操船の事なんてわかりません。
わからないのですから荷主様の顔色を伺うのではなく、現場に耳を傾けましょう。
守るのは、自分の立場ではなく、船員の命と安全を守ってください。











皆さん、負けないよう頑張っていきましょう。



2020.06.05    カテゴリ:  コラム 

   安全と子育てから考える 危険な事を教えるには?

安全はすべてに優先する

これは、どの現場を伴う業界にも言われる言葉であります。

マクドナルドのスマイルはタダかもしれませんが、船員さんが笑顔で安心している状態、
すなわち安全とはコストがかかります。

しかし、今の内航海運の状況を見ていると、オペレーターの現対応は、安全よりも利益は全てに優先するとも見えてきます。

金はやらないが、安全においては最上級の品質を維持しろでは、パワーハラスメント(優先的地位の濫用)です。

家に帰って、給料から家計に入れる金減して、奥さんに対して、美人でいろ、慎ましくおしとやかで、
家事育児もしっかりやれと言えばどうなりますか?それと同じですよ。

緊急事態宣言解除後の日本人の行動を見ると、自粛を守った民度と言うよりも
人々の目を気にして自粛したと言う人もいたと言っても過言ではありません。

安全に置き換えても、自身の命を守る行動よりも、荷主やオペに言われない為と言う潜在意識があり、
また事が起これば、再発防止策よりも、どうすれば荷主が納得してくれるだろうが優先になってしまい、
トンチンカンな報告書が出来上がってしまいます。

もちろん、皆に役にたつ周知徹底すべき再発防止策もありますが、多くは1人のドンクサイ事例により多くのまともな人の手順が増え、余計に不安全になります。

私には、現在5歳の息子と2歳の娘がいますが子育てにおいても、同じような事が言えるかもしれません。

子供が怪我しないようにし気をつけている自分と、潜在意識の中で怪我されると妻に怒られると言う自分があります。

そんな中で、自転車に乗る息子に「ヘルメットかぶりなさい!」では、なかなか被りませんが、
息子が小さい頃に児童館で友達と走り周り、角に頭ぶつけて流血して病院に行ったことがあり、
【通称:あたまパッカーン事件】それを引き合いにだして、ヘルメット被らず、
自転車でコケたら、あのあたまパッカーンの時よりも痛いぞ、多分麻酔して手術になって入院かもねと言えば、
そうかと納得し素直にかぶる。

心に訴えかける事が大事なんだなと子育てから学びます。

船における死亡事故原因の一つにロープ事故があります。

4月入社の新人船員がそろそろ雰囲気にもなれてきたか、ドロップアウトしている頃だと思いますが、
ロープ(ウインチ)の事故は普通に死にます。ラッキーで、手足切断の大怪我です。

頻繁に起こる事故ではないですが、日常作業に潜んでいる危険です。

知っていて作業するのと、知らずに作業するのは大きく違います。
私は、船主の息子として育ったので、昔からロープのそばに立つなとか、どこどこで、ウインチに巻かれて真っ二つになった、手や足や指が切断されたなど聞いて、なんとなく潜在意識の中にあります。だから気をつける。

安全とは、本来そうあるべきじゃないかと思います。

今、事故が少ないと思いませんか?

鉄鋼ショックやコロナの影響で稼働が減っているのもありますが、あまり稼働率に影響のないタンカーでも事故が減っている。

わたしは、テレワークによりオペ(安全担当)からの過剰な介入が減り、船員が安心した穏やかな状態が増え、減っているのではないかと勝手に推察しています。

今は、You Tubeで世界中の船舶事故などを見る事ができます。

安全教育とは、百聞は一見にしかず











こう言った、実践に役立つ教育も学校現場ではやってほしいです。

その他、海技系学校教育でやって欲しい事(甲板編)

1.レットを正確な方向に投げる。レットを30m以上飛ばせる練習。
2.ロープを刺せる練習
3.溶接、切断
4.ペンキの知識と塗り方(刷毛の扱いなど)


この4つだけでもできれば、新卒入社でもつまずくことなくロケットスタートができるんじゃないでしょうか?

2019.10.29    カテゴリ:  コラム 

   STCW条約 基本訓練実施に関する意見・要望 

STCW条約の2010年マニラ改正により、船員の安全性向上を確保すべく、基本訓練のうち、個々 の生存技術及び防火と消火に関する訓練を5年ごとに実施することを義務づけ(技能証明書の発給)

そもそもSTCW条約の2010年マニラ改正により、義務化された基本訓練をを今頃になって騒いでいるのかと言うと国交省海事局にIMOの監査が入るためである。
STCW条約は、国際条約であり、IMOにおいて認められたホワイト国である日本が批准している為、基本訓練の適用は避けて通れない事です。

しかし、ここまで引き伸ばしているのには、和訳された文言を『実施訓練』と言う法律解釈をした為に国際ルールの上で当たり前としても、国内訓練受け入れ施設のキャパなど現実問題に照らし合わせると実現不可能、混乱が必至の状況です。

ILOの調理を行う者の教育に関しては、通達で定めるテキストを使用した社内教育にて「調理教育修了等証明書」の交付を受ける事ができましたので、教育訓練受け入れ施設等の混乱は避けられました

しかし、今回は五年ごとの実施訓練。

各訓練所の受講料が、生存訓練が3~14万円、消火訓練が6~14 期間が1日から2日(受講料に差があり、少ない施設なのに偏る可能性)

未だ多くいる60代70代の船員に1mー2mの高さからプールへ飛び込めと言う訓練(50cmも検討中)は、現実問題として難しいのではないかと思います。生存訓練が生存できない訓練になる(事故)可能性を否定できない。

・60歳以上の年配船員の引退の助長

・未経験船員など雇用コスト。短期退職の際の雇用リスク。

・訓練施設の予約が取れずに失効→乗船できない→停船

前回(平成29年1月18日発表)、基本訓練開始時期について、平成31年(令和元年)7月1日から、内航旅客船及び内航タンカー、その他内航船については、平成33年(令和3年)4月1日からとされていました。
しかしながら、受け入れ施設のキャパなど現実が見えてきました

フェリーやタンカーが先だから自分たちは、まだ先だと思っていた、カーゴの船主様、船員の皆様、まずは、お手元の船員手帳の有効期限をご確認ください。

STCW.jpg

20GT以上の近海・限定近海航路の船舶 船員手帳有効期限 2021年(令和3年)4月~ 

499の近海、限定近海のカーゴ船主さん、すぐそこですよ。オペの皆様、訓練先延ばしのために限定近海から沿海にさせてくれと要望があるかもしれませんよ

20GT以上の沿海航路の船舶        船員手帳有効期限 2024年(令和6年)4月~ 

最初に受けた近海・限定近海航路の船員の第二回目の更新  2026年(令和8年)4月~


現在28000人と言われている内航船員 開始以降、船員手帳有効期限で10グループに分け10年かけて順次受講していくと言う計画だが、平成30年度の受け入れ可能人数が出た際、外部訓練機関が鉛筆ナメナメ、講師人数や季節(プールの関係)など考慮せず、机上の空論で増し増し見積もっても2000人(外航450人 内航1550人)すでに内航船員1000人以上が抽選漏れ 更に2回目の更新になると、年4000-5000人見積もらないといけない時期が来る(船員不足を加味しても)

海技免状が5年更新ですが、ある程度の割合は更新講習ではなく履歴にて、海運局もしくは、海事代理士に委託して更新すると思います。それが、全員更新講習義務付けたらどうなりますか?講師は足りない、会場は足りない。その状況が、その基本訓練に迫っているのです。想像すれば、わかる事です。


しかし・・・まだ、いろいろ決まっていない時期(でも、まもなく決めないといけない)だからこそ、この条約をクリアすべき拡大解釈と実現可能な訓練内容、方法の検討をお願いします
そして、これは日本国内を航行する内航に関してですのでPSCの監査が入る訳ではありません(内・外航はPSC絡み) 船員政策課や運航労務官がチェックするわけです。

国や行政が一度決めたものを変える事は、なかなかできません。もしかしたら、何故STCW条約に一部の船主が困った困ったと言っているのか意味すらわかっていない。行政、オペ、荷主、もしかしたら船主もいるかもしれません。

タンカー、ケミカル、ガスは、まだ横須賀の消防実習に行くと言う文化があります。カーゴには、そう言った文化がありません。
199の家族船だって関係する事です。ヘタをすれば、訓練ごとに船を止めないといけないかもしれません。

7月15日 内航船の日が年々注目されていますが、2021年4月1日 内航船が止まる日にならないよう、業界団体、船主団体で知恵を出し、知恵をしぼり、国土交通省海事局へ現場の実務上の問題点を出してあげてください。
あとは、彼らの頭脳がなんとかしてくれるはずです。

IMOのホワイト国の中で船員不足の国、訓練施設不足の国がどれだけあるのかわかりませんが、日本は、この基本訓練が船員不足へ多大なる影響を及ぼす可能性があると言う事を覚悟して決めないといけません
決まってからでは、遅いのです。精一杯、現場の問題点を中央に上げ、中央で法的解釈と拡大解釈、現実問題の中で揉んでもらう。そして知恵を出してもらう。それでも、どうしても今の案のまま5年毎の実施訓練と言うなら・・・やればいいと思います。

それを最終決断した人は、末代まで語り継がれるでしょう。
あなたが、日本の海上物流 内航海運にトドメを刺したと・・・



それでは、ある船主さんの魂の叫びをお聞きください

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日本の海上物流を止めないためにも基本訓練は、今決めるのではなく先送りして欲しい

まずは、SOX規制への対応が落ち着いてから、基本訓練の問題にとりかかる。

2020年1月からのSOX規制への対応が不十分であり海事局や業界新聞では問題ないと公表されているが、実際は適合油との混合比率や混合方法の失敗事例が発生している。またスラッジ分散剤によって沈殿スラッジを分散させた際に短時間での燃料すトレーナーの詰まり(掃除)が発生している(最悪の場合、エンスト、座礁などのリスク)が非公表のまま、一部の船主には伝わっている

次に、国内の船員法の改訂がを優先して欲しい

例:乙種危険物は、現場では全く無用なものである。


2019.2頃の改定案では①基本訓練 ②船員法「危険物取扱責任者」「救命艇手」「消火作業指揮者」「旅客船の乗組員に対する教育訓練」と提案されたが、①基本訓練については、非現実的な施設受け入れ態勢や準備期間が短く混乱を招く。②船員法「危険物取扱責任者」「救命艇手」「消火作業指揮者」「旅客船の乗組員に対する教育訓練」については、船員政策課と地方の海事事務所、船舶所有者との認識のギャップが多々あり整合性が取れず、有効性がない現状が明るみになった。

これらの事情により延期になったにも関わらず、今回、2019.10の改定案では、国内での整合性や有効性がない事案の改善に着手せずお金や労力(時間)のかかる実地訓練に着手しており、訓練施設を運営する為の改定案に見える

まずは、現実可能な訓練施設の受け入れ態勢、受け入れ方法を考えるべきであり、このまま進めると混乱が起こるのは必至
混乱だけでなく、新規採用への障壁、船員不足、現役船員の引退につながる事である。

訓練施設にも問合わせてみたが、受け入れ態勢は、まだと言うより、現実味をおびていない(机上の空論)
ある施設の受け入れ態勢が現状0人のところ、来年あたりに100人の受け入れ予定(10人単位で年間10回)その五年後には1000人(10人単位で年100回)を予定している。

横須賀の消防実習ですら、受講したくても施設の規模や指導員の人数の確保など業界から回数を増やしてくれとの要望に応じられていない。海技士免状を取得する為の学校の講師でさえ足りていないのが現状です。

実地訓練をすすめるにあたって、訓練内容については、必要最小限、費用を安く、訓練時間を短くすれば回転率もあがり少ない施設で受講効率を上げる事ができるのではないか。

水産高校、海技系の学校、自衛隊からの転職組は、似たような訓練を実施しており緩和措置を検討してほしい。
実際に、水産高校では、校内の基本訓練で海外のPSCの監査を受けて問題がない。

海技免状取得の際に、必須となっている免許講習(救命、消火)とのつながりを考慮して欲しい。尾道海技学院のパンフレットの免許講習欄には【※救命講習、消火講習はSTCW条約適用講習と記載されている】

世界のSTCW条約 批准国の最も簡素化かつ安価な実地訓練を参考にしてほしい。

基本訓練の概要【個々の生存技術】の中で救命いかだのみ船内訓練が不可と思われる。
その他は、船内訓練で可能である

基本訓練の概要【防火と消火】では、全ての訓練が船内で可能と思われる。
消火剤を仕様しない模擬消化器で訓練が可能だと思われる。
以上の事から救命いかだの項目のみを訓練実施すれば、安価かつ簡単、短時間で訓練施設も数をこなせるのではないかと考える。

H23.12.2 【国海運第117-2】にて基本訓練修了書及び能力維持の証明書発給の通達が出たが、現在でも内航船のほとんどが、この件を理解しておらず(未発給が多い)、また雇入れ公認の際にもノーチェックである。
海事局船員労政課が考えるほど、地方の海事局、雇入れ公認役場、現場(船主)では出来ていないことを前提に今回の件を考えて欲しい。

”5年ごとの能力維持の証明書の義務化” と ”5年ごとの訓練実施”では、業界に与える影響が大きく異なる。
現実にあった解釈を実践して欲しい

IMO監査への報告は、「やります」「できます」で済むが国内受け入れ態勢の実態は、現状の20-30倍で計画している。
施設(場所)は、作れば出来るかもしれないが、講師と金額と運用。民間施設だと儲けないといけませんから、採算合わなければ撤退だってありうる事です。
IMO監査は、通ったけど、受け入れ態勢が整わないまま訓練難民が出るようなお粗末な事になるのではないかと言う懸念がある

「五年ごと」の更新についても更新受講期間がまだ明確化されていないが、一部では船員不足で休暇が回っていない船も聞く。更新受講期間に1年間くらいは、受講期間幅が必要だと思うが早めの更新で期日スタートが5年ごとになるかどうかでも運用が大きく違ってくる

まずは、多くの現場意見、問題点を吸い上げて、より慎重に検討すべきである。

今回の対応、方向を間違えると、船員不足は加速し、この島国ニッポンで海上物流が止まる日もくるのではないかと考える






2017.07.19    カテゴリ:  コラム 

   プルトニウム被ばく事故と安全管理

安全管理を制するものが内航海運を制すると言っても過言ではないかもしれません。
そして、各社の永遠のテーマが安全管理です

安全管理とは
企業内の安全を維持し災害を未然に防止するための諸活動。単に作業能率や企業の損失防止の観点からのみならず,人道的観点からも重要である。
手法としては,(1) 作業環境の整備,(2) 機械装置,用具の点検,(3) 生産方式の改善,(4) 保護用具の着用,(5) 安全教育の徹底などがある。安全管理は労働基準法や労働安全衛生法などによって規制され,安全管理者や安全担当者などがおかれて積極的に安全管理に取組むよう指導されている。


20年無事故と安全管理が長けている会社は、必ずしもイコールではないのが安全管理の難しさかもしれません

原子力研究開発機構JAEAの大洗研究開発センターで発生した「プルトニウム被ばくの事故」についての法政大学大学院 宮野 廣 客員教授のコラム

「プルトニウム被ばく事故を考える」(視点・論点)

この中での抜粋

事故が、作業員の不注意により起きた、という目先の責任のみに帰着されるようであれば、更に重大な事故に至る恐れが残ることになります。

安全確保には、人と資源の投入が必要だということも忘れてはなりません。


私は、これまでどんくさいZを起因とする事故や怪我で皆が安全対策・禁止策を強いられる事について
余計な不安全に繋がると思っていました。

ヒヤリハット報告がたくさん出る会社がヨシとされる風潮にも疑問を感じておりました。

船乗りがロープで怪我をする事は、安全対策云々の前に寿司屋の大将が包丁で指切るのと同じくらい恥ずかしい事だと思っていました。

荷主殿やオペ殿に提出して喜ばれる内容の安全対策と本来講ずるべき安全対策の内容の差にも疑問を感じておりました。

このコラムを読んで自分の考えを少し改めるべきかなと思い始めました

『組織は感情的なもの』 『行動の動機は、感情』

組織は人の集まりです。多くの職場では、決まりや規則というものがあります。これを守ることが重要と教えられます。でも、なぜその規則が大事なのかが理解されないと、ただの形式だった行動にしかなりません。

単に安全に気をつけなさい、なになに禁止と言うよりも、死亡例や大怪我の例を伝えてあげる事の方が行動につながります。

なぜ、労働安全に整理整頓が不可欠なのか?「作業現場」は作業員の生活空間です!

これを読んで、私自身も行動の動機は、感情となるか実験してみたいと思います

業界の『ヒヤリハット』も大事ですが、『良かったホット』と言うこうすれば大丈夫だったと言う報告もあれば役に立つのではないでしょうか?

私は、小さい頃、ハンドレールがない歩み板でのトモ付けで育ったので船乗りになって
両側ハンドレールのタラップに転落防止ネットと救命浮環に木槌が浮かんでる船を初めて見た時に「こんなんで落ちる人いるのか?」と思ったのが見た時の感想で、後に諸先輩方やニュースで落ちて舵に捕まったまま亡くなった事例や年間数回聞く海中転落事故を聞くと転落防止ネットも救命浮環も木槌も必要だなと現在は、思っています

爆発的ヒット商品のABUNAI-Zもあんなにゆっくり動くハッチに引かれるのか?と言う感想を持つ方がいて当然ですが
年に何回かは手を潰した、足が潰れたと言う事例を耳にします

こう言った事が『良かったホット』の一例ではないでしょうか?

ヒヤリハットの事例があれば皆さんも気をつけましょうと情報共有する事も大切です。

ヒヤリハットは、ないに越したことはありません。捻り出して考える事でもないと思います。
ヒヤリハットをたくさん提出してくる船は、担当者的にはありがたいかもしれませんが、その事自体がヒヤリハットかもしれません。

2016.04.08    カテゴリ:  コラム 

   平成28年度スタート

昭和41年よりスクラップ・アンド・ビルド方式による船腹調整事業。(本当に良くする為には、ハードランディングのクラッシュアンドビルドが良いのかもしれませんが・・・

平成10年それを引き継ぐ形のソフトランディング策で始まった内航海運暫定措置事業に終をつげ平成28年度が始まりました。

また、内航海運に新たな一歩を踏み出した、新社会人にとって不安と戸惑いの初めの一週間。
しかし、ベテラン船長や機関長も嫌な上司もダメな上司もみんなが通ってきた最初の一週間。
一級持っていようが六級だろうが誰もが最初は皆、初心者です。

もし、既につまずいて、ドロップアウトを考え始めている人がいたら、一度止まって考えてみてください。
自分で選んだ会社です。仕事を覚えてから辞めても遅くありません。

嫌な上司がいて、ドロップアウトを考えている人がいたら、一度止まって考えてみてください。
嫌な上司より仕事ができるようになって辞めても遅くはありません。

嫌な上司でも仕事ができる人なら仕事を学んでください。
『学ぶ心さえあれば、万物すべてこれわが師である』

数ヶ月もすれば、『あそこは楽だ』『あそこは給料がいい』といろんな情報が入ってくるでしょう。
惑わさるかもしれませんが、大切なのは最初の3年は、どれだけ仕事を学べるかです。
3年かかるところを1年2年でやってしまう人が30代前半で船長を任せれる人です
しっかり学んで仕事ができるようになれば、その楽な会社や給料がいい会社から声がかかるでしょう

『あそこはこんなに仕事を教えてくれる』『あそこは、こんなことまでチャレンジさせてくれる』と言う噂には聞き耳立てても良いかもしれません

3年から5年で仕事の流れ内容が見えてきます。オッサン船員たちの会話にも参加できるようになってきます。
今までの横の繋がりだけでなく縦の繋がりも出来始めます。
今は、経験する機会も少ないのに失敗が許されない世界です。オッサン船員たちの失敗談も時には勉強になります
仕事が見えてきたら初めて、仕事に面白みが出てきます

最初の3年から5年くらいは楽しくなくても普通なんです。
ですから楽しくない間に辞めたら損なんです。

それでもどうしても嫌だ辞めたいと思う人がいたら、内航船社約1580社ありますのでその中で選んでください。
せっかく船乗りを目指したのに船の世界から足を洗うのが一番悲しい事です

時化が辛くて辞めたいなら、瀬戸内船もあります。
長期乗船が嫌で辞めたいなら日帰り航路もあります。

船員は特殊な環境ですが、辛いのは、陸上企業のサラリーマンも一緒です。

現状、内航海運に明るい未来があると胸を張って言えませんが、そうなるように希望を持って頑張っている業界人はたくさんいます

その希望を消さないように内航総連が頑張ってくれるでしょう

その希望を消さないように全日海が頑張ってくれるでしょう

その希望を消さないように荷主・オペ・船主が頑張ってくれるでしょう

そして、儲かる商売 内航海運 稼げる職業 内航船員になるように皆で頑張っていきましょう。

2011.12.31    カテゴリ:  コラム 

   2011年 終わり

2011年は皆さんにとってどんな年だったでしょうか?

そんな回顧する間もなく、電力向けあたりはフル稼働と聞いております。
まずは年末年始も働いている船員さんに敬意を表し、この一年を振り返ってみたいと思います。

今年は、3月の東北大震災・津波・福島原発事故と内航海運においても大きな出来事がありました。

北関東から東北地方で荷役中だった内航船の多くは、緊急出港で難を逃れたものの、
経験したことのない大波に遭遇して、オモテが持ち上がり空が見えたと表現する人もいました。

もちろん緊急出港と総員退船避難で明暗が別れた内航船被害ですが
タンカーの二次災害三次災害を防げたのも3月9日11時45分 M7.2、最大震度5弱の地震で
荷役の際の緊急避難の予行ができていたのも一つの要因だったのではないかと考えられます

また、震災前に言われていた、カボタージュ制度の見直しも、いかに勉強ができる人たちの諸刃の刃理論だった
ことがよくわかったのも、原発事故における外国船の対応に顕著に見られました。

油不足に続き、今度は家畜の飼料不足による酪農家の苦渋の殺処分も多くのメディアで放映されました。
九州・北海道から日本海の拠点港にピストン輸送し日本海側から東北地方に向ける策が取られ
鋼材船なども飼料輸送に投入されました。

ここが世間に、内航海運ここにあり!とアピールするターニングポイントでしたが
業界としてはアピールが足りなかったと思います。

それでも、東日本を中心に動いている船には、がんばろう!東北の看板を掲げ
東北復興の為、頑張ってる船もたくさんいます。

今後も復興のためには、内航海運 海上輸送は必ず必要です。
一日も早い復興を願うばかりです。

震災の影響は、直後に開催予定だった内航業界では異例の勉強会を中止せざるをえませんでした。
2012年には、是非とも開催できるよう計画を立てていきたいと思います

5月には、二回目となるBARI-SHIPが開催され、大盛況でした。

今年も多くの方と出会い、また多くの方の協力・応援で、内航.COMが運営できました。
そして、今年竣工した多くの新造船を見学させてもらい、紹介させてもらうこともできました。
しかしながら、多くのチャンスを逃していると、船乗りしながらの内航.COM運営に限界を感じた年でもあります

ある船主さんの言葉を借りれば、『現状維持は後退だ』を自分に当てはめ
2012年12月31日に『今年はよく頑張った』と言える為の一日一日でありたいと思います。

来年から業界再編で大きな動きがあるかもしれません。

業界には問題山積です。

そこに山があれば登るしかありません。

人間が宇宙にいける時代に内航海運が抱えている問題が解決できないわけがないんです。
そのためには、業界を超えた協力と協調・そして熱意が必要です。

若手の皆さん、今こそ立ち上がりましょう!そして内航海運復活の布石となるよう

協力できる部分は協力しあい、共存共栄、頑張っている業界”内航海運”にしていきましょう

同業他社は、ライバルであっても敵ではありません。

やってやれないことはない。

やらずにできるわけがない。



業界関係者の皆様、一年間お疲れ様でした。
お世話になった方々、また来年もお世話になりますのでよろしくお願いします。
賛否両論、このブログを一年間見てくれた皆様、
来年も賛否両論で見て頂きますようよろしくお願いいたします

私の願いは一つ がんばれ内航海運!海洋王国ニッポン!



本日は、最近流行っている、年越し馬刺しを食しながら2011年 ハイオク満タンで終了したいと思います

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高級馬刺し専門店 (有)桜屋

それでは良いお年を!


2011.01.04    カテゴリ:  コラム 

   海難事故防止に向けての一考察

2011年 海難事故防止に向けての提案と内航海運の生き残り策

居眠り防止装置の設置
国際海事機関(IMO)は09年6月、海上人命安全条約を改正し、
11年7月以降はすべての旅客船と150トン以上の旅客船以外の船舶に居眠り防止装置設置を義務化


電子海図表示装置の設置


AISの設置
(クラスBも含む)

航路内操業の漁船にもクラスBの設置

以上の義務化を提案します。

人間である以上、失敗はします。
失敗したことなんてないよと言う人がいたらそれこそ人生失敗です。
私なんて失敗だらけの人生です。失敗から学んだことも多くあり
現在の自分があります

人間が扱い動かしていることを考えれば故意・過失・不可抗力の様々な原因はあるにせよ
海難事故はなくなりません。

いくら安全基準でガチガチに固めようが
海難事故=リストラと船主を追い込もうが
国交省や保安庁が莫大な予算で海難事故防止に取り組もうが
平均すれば毎年同じような事故発生件数です

ガチガチの安全基準を唱えている製油所でさえ毎年のようにドンパチやったりしてますよね

発生年別事故件数 (2010/11/30 現在)

2008年 【衝突】282件【乗揚】255件【沈没】12件
2009年 【衝突】496件【乗揚】432件【沈没】16件
2010年 【衝突】441件【乗揚】301件【沈没】15件


発生船舶種別事故隻数 (2010/11/30 現在)
2008年 【旅客船】33件【貨物船】258件【タンカー】37件【押船・曳船】 77件【その他】 533件
2009年 【旅客船】66件【貨物船】454件【タンカー】54件【押船・曳船】147件【その他】1063件
2010年 【旅客船】63件【貨物船】351件【タンカー】48件【押船・曳船】 96件【その他】 851件

(運輸安全委員会調べ)

運輸安全委員会が平成16年1月~平成22年3月に発生した事故のうち、5167件を分析したところ、
居眠りが原因とみられるのは約10%の497件あった。居眠り事故による死者・行方不明者は13人に上り、92人が負傷。
船や橋が損壊するだけでなく、燃料の油やガスが漏れ出して周辺の船や航空機の運航に支障が出るケースもあった。

こうした居眠り事故を起こした船の96%が499GT以下の漁船や貨物船で、1人で当直時、自動操舵にして眠ってしまう例がほとんどだった。


海難事故はなくなりません。
そう言えば、話は終わってしまいますが、海難事故は起こるものとして考え
その起こりうる海難事故をどう減して海難事故ゼロに近づけるか
そう言った着眼点で対策で行かないと大なり小なりの平均値は変わりません。

もっとも、今後内航船主の廃業が増えれば、発生事故件数は自然減少するかもしれませんけど・・・

以上のデータを見ても、居眠り防止装置を付けるだけで居眠りが原因と見られる海難事故497件のうち
0にできなくとも100件以下には減らすことができたのではないでしょうか?
さらに電子海図を付けて座礁警報が作動していればさらにゼロに近くなっていたかもしれません。

過去の現象に、たられば理論はご法度かもしれませんが、普通に考えてそう思いませんか?
もちろん、居眠り防止装置も電子海図も正しく運用しての話です

海難事故が減って、誰が困るでしょうか?誰も困りませんよね。
海難事故が起こって悲しむのは誰でしょうか?

事故が起こって、人命より荷物の心配をされる担当者もいるかも知れませんが・・・
やはり命あっての人生です。人命に影響があるような重大海難事故は、なくさなければなりません。

航路内操業の漁師 VS 内航船

これは、お互いが主張しても終わりなき戦いです。
漁師にも必殺回転灯THE漁労中がありますが、命あっての人生です。

ワシは漁労中とノーワッチ、縦横無尽に備讃航路内走ってたら遅かれ早かれ
人命に影響のあるような事故の可能性はあります。

毎年数件の漁船と商船の衝突による海難死亡事故はあります

漁師だって、家に待っている家族は居るはずです。その家族の気持ちも考えてあげてください

そこで考えました。命を守るためにAISクラスBの設置をしてみてはいかがでしょうか?
特に、備讃瀬戸航路内操業・大阪湾操業船(二艘引きなど)操業するのであれば
AISクラスBを付けて、内航船及び外航船側に確実に避けてもらう。

AISを設置して今まで通り、航法無視で縦横無尽にやっちゃってください。
それの方が漁船との海難事故が減ります


コマセ網漁船の一部にAIS設置の取り組みがあります

漁協も漁業補償などでキャッシュリッチでしょうからそれくらいの設備費用を出してあげてください。
金も使わないと金貯めこんでると某漁協のようになりますよ・・・


居眠り防止装置の設置 ・電子海図の設置 ・AISの設置(クラスBも含む) 以上3点セットの義務化をすれば
499以下船主から、オイオイ、この不況にコストアップの話なんかするなと言われるかもしれません。

しかし、私の本意は、コストダウンの為の3点セット義務化提案です

この居眠り防止装置の設置 ・電子海図の設置 ・AISの設置(クラスBも含む) 以上3点セットの義務化船における

299GT以下1000馬力A重油船の機関長の甲・機兼務を認める。
(甲板部・機関部の免許は必要)

特に199GTクラスの小型内航船市場は、船員法改正により16時間超の航海においては
甲板部3名機関部1名となっています。

船員法改正により、市場全体では約一人分の用船UPもしくは増員手当がついております。
しかしながら、4人乗船の為には、予備船員があと一名必要です。
ようするに5人いないと船は回らないのです

5人分のコストを出しているオペレーターは何社あるでしょうか?

それどころか、リーマンショックの影響で製鉄系が下げたのを良いことに

用船ダウン製鉄マネすりゃ怖くない。

右へならえで同じように下げた会社は何社あったでしょうか?
そのうちの何社が製鉄系がUPしようとも知らぬ存ぜぬTHE現状維持だったでしょうか?

もちろん、本船オペのようにリーマンショックも必死に耐えてくれリーマンショック以前の
水準を保ってくれ頑張ってくれているオペレーターもたくさんいます。

製鉄系も一部の業者を除きほぼリーマンショック以前水準にもどりつつあるのではないでしょうか?

しかし水準がもどりつつあるとは、言っても、老朽船リプレースを考えればまだまだの低水準です

平成22年度船舶コスト

499総トン型         1404万1000円

199総トン型(16時間超) 1003万1000円

199総トン型(16時未満)  864万5000円


航空業界にはLCC(Low-Cost Carrier:格安航空会社)が注目されていますが
内航海運にもLCC(Low-Cost Charter:格安オペレーター)も密かに台頭してきています

内航.COM調査委員会の独自情報網による調査データから格付けをしてみますと

傭船料がA(えー:良い)クラス
ボチボチ(BOTIBOTI)のBクラス
コスト(cost)ぎりぎりのCクラス
こんな傭船料じゃダメ(Dame)やんのDクラス
いい(E)かげんにしろ内航海運を何だと思っているのだのEクラス

以前はBクラスやCクラスオペレーターが大半ですが
最近では、DクラスEクラスも目立ってきています。

新春バーゲンもビックリの平成22年度船舶コスト50パーセントOff
なんてオペレーターもあるのではないでしょうか?

もちろん、会社の諸事情もあるかと思いますが・・・
内航海運をダメにしているブラック企業だと言うことは自覚してください。

荷主さんもそんなオペ傘下の船に安全コストが保てると思いますか?
重大海難事故を起こせば荷主さんにもブーメランのように返ってきますよ
安全はただではありません。

ここで新春特別企画ブラックオペさんこんにちわ。
と格付けとブラック企業ランキングでもすれば…
新年早々盛り上がりますね(笑)

特にカーゴ業界は、隻数に対する業者が多すぎると思います。
Dクラス・Eクラスのブラックオペは、市場退場するべきだと思いますが
もちろんブラック企業でも一生懸命働いている社員さんまたその養っている家族もいます。

ブラック企業を糾弾するのは簡単です。そうでなくとも、現状を続ければ5年後に
オペレートできる船は居なくなるでしょう。

荷主にどう顔向けしますか?

今、血相を変えて本船オペに怒鳴り込もうとしたオペ担当者様
私もいい年のオッサンなんでそんなことはしませんのでご安心を(笑)

血相を変える前に傭船料を変えれるよう自助努力をお願いします


そんなレベルの低い話の前に今、出来ることを考えてみると

今の何も進歩のない内航海運業界と経済状況で傭船料アップもあまり期待できません。
もちろん今の水準じゃ内航海運は死にますよ

じゃあ、次にどうコストを削るか。

人員しかないですよね。
船価ももちろんですが、船価を下げすぎると内航建造造船所の体力が持ちません

小型内航船の実態労働調査をしてみてください。
甲・機関の免状を持っている機関長のA重油1000馬力エンジンの部門間兼務はできるはずです。

それでは、安全が云々との意見があるかもしれません。

その為に居眠り防止装置の設置 ・電子海図の設置 ・AISの設置(クラスBも含む) 以上3点セットの義務化提案なのです。

3人乗船の居眠り防止装置の設置 ・電子海図の設置 ・AISの設置船と4人乗船の居眠り防止装置・電子海図・AISの非搭載船

どちらが安全ですか?

労働基準法が云々…と言うかもしれませんが
部門間兼務の機関長と労使協定などを結び、10万円くらいの
部門間手当を付けることを統一基準で決めれば、
やりたいと言う人もいると思います。

免許上下持っている船員の価値も上がります

実際、10年前位の鉄鋼不況の際の小型内航の状況を思い出してください
大手の船でさえ2名乗船の24時間超の航海が常態化してたのですから。
499 699で3名運航なんて話も聞きました。


愛媛出身の井手憲文海事局長 様

ぜひとも、現場を見た上で法律を改正していただき、実態海運経済に合った定員基準にしてください。

何の為にエンジンメーカーや舶用メーカーの開発努力・技術革新をしているのでしょうか?
単に安全の為に人を増やせでは、メーカーの技術革新をないがしろにしています。


299GT以下の1000馬力A重油船における 居眠り防止装置の設置

電子海図の設置 ・AISの設置船は

機関長の甲板兼務(上下免状は必要)を認め16時間超も3名乗船可能とする


それをするだで小型内航船主は、企業努力でなんとか存続できます
小型内航(199~299)のリプレースは進みます。
299までとしたのは、199GTのリプレースはすでに250GT~299GTとなっている状況なのと
余裕を持った船型にすることにより省エネになり環境に貢献します

内航造船所も助かります。
オペレーターも助かります。
海難事故も減ります。

誰が損しますか?

今の基準で、安全運航ができるだけの傭船料を求めていったら
誰が困りますか?

半数くらいのオペレーターが大日本帝国バンザーイとお手上げしなきゃいけなくなりますよ

コストを足し算できるオペ社船とお役所。
コストを引き算で考えなければならない船主

莫大な費用をかけなくともすこしばかり、法解釈と工夫で改善されます。

もうあと4年もすれば、小型内航市場は死にますよ。

井出海事局長はじめ、今後海事局長になる方々、
次世代の孫たちに胸をはって、やるだけのことはやったと言える海運政策を期待しています

男ならおまえのじいちゃんが内航海運救ったんだってなと言われたいと思いませんか?

それとも…おまえのじいちゃんが内航海運を潰したんだってなと言われますか?



もう一度言いますよ

299GT以下の1000馬力A重油船における 居眠り防止装置の設置

電子海図の設置 ・AISの設置船は

機関長の甲板兼務(上下免状は必要)を認め16時間超も3名乗船可能とする



やってやれないことはない。

やらずにできるわけがない。

頑張れ内航海運2011

2010.04.01    カテゴリ:  コラム 

   別れ・・・

春・・・それは別れの季節でもあり 旅立ちの季節でもあります

再三に渡り、このブログにて訴え続けた

2009年度中の
700総㌧以上の航海当直部員資格の履歴要件の撤廃もしくは緩和

力及ばず悲しいですが全くのノーリアクションに終わりました。

ですので、私からアクションを起こそうと思います



本日より国土交通省【proxy1.mlit.go.jp】の端末及び


海上保安庁【jcgipx11.kaiho.mlit.go.jp】の端末からの


内航.COMへのアクセスを遮断します


何も協力しないなら仕事中に見る必要ないでしょ?

そして、


再度、700総㌧以上の航海当直部員資格の履歴要件の


撤廃もしくは緩和をしてもらえるよう


また、カボタージュの一部解禁見直しを


考えていただけるよう陳情に伺います


手ぶらでは申し訳ないので


この一年間の国土交通省・海上保安庁からの就業中の


アクセスログをプリントアウトし


就業中に国土交通省・海上保安庁のPCより


内航.COMへこれだけのアクセスがあり


ありがとうございましたと資料にまとめ伺います


門前払いを食らい取り合ってくれなければ、


その足で取り合ってくれそうなマスコミを周ります



現場の労務官などは、私たちは現場の船主さんや船員さんの悲痛な叫びを
痛いほど聞いてきてますが、私たちの意見を会議の議題に上げたところで
「しょうがないじゃん。法律で決まってんだから」と上から言われるだけなんです
と現場の労務官から聞いたことがあります

改善という言葉を知っていますか?

私たちが求めているのは改革でなく改善なんですよ

改善とは、良い方に制度を改める 行いを改める

しつこいようですがもう一度言います

マグロを守った農水官僚のようなファインプレーのできる官僚は国交省にはいないのでしょうか?

国土交通省とはなんですか?

国土を守り、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進

気象業務の健全な発達並びに

海上の安全及び治安の確保を図ることが任務ではないのですか?


間違っていますか?

世の中方法は、無限大です。

やってやれないことはない。

やらずにできるわけがない。

700総㌧以上の航海当直部員資格の履歴要件の撤廃もしくは緩和

やってください

以上



4月1日エイプリルフール?さあどうでしょう…
内航.COM 管理人  N


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