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海運ニュース

2020.12.11    カテゴリ:  燃料概論 

   燃料油に起因する機器類の不具合調査に関するアンケート

既に各社に届いていると思いますがSOx対策専門小委員会より燃料油に起因する不具合調査を行います。

締め切りは2020年12月31日までに投函

特に不具合のあった船主さん、機関部におかれましては、声を上げる最初で最後の機会かもしれません。
調査協力よろしくお願いいたします。
我々の声を上げ、どこでバンカーしても問題ない、混合安定性が確実な燃料提供をするように石油業界へNOを叩きつけましょう
SOx小委員会1

SOx小委員会2
SOx小委員会3
SOx小委員会4
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2020.11.05    カテゴリ:  燃料概論 

   重油の規格・品質

まず、重油の作り方は簡単に言うと硫黄分たっぷりの原油の残渣を低硫黄基材で薄めて作ります
低硫黄基材とは軽油であったり、灯油であったり、いろいろです。

A重油は軽油90 %に少量の残渣油を混ぜたものである。

B重油は残渣油と軽油を半量程度ずつ調合したものである
(なお、最近B重油はほとんど生産されない。数年前、今では貴重なB重油の船に乗った事ありますがバンカーオーダーするとバンカー屋さんがA重油とC重油を半分半分 バンカータンクでミックスして持ってきてました)

C重油は90 %以上が残渣油である。

参考 Wikipedia

C重油の次がアスファルトですから道路になる寸前の石油精製残渣(ゴミ)を軽油や灯油で薄めて燃料にする。
ゲホゲホ言いながらもその石油精製残渣(ゴミ)を温めたり、濾過したりして何とか食べれる状態にして、ディーゼルエンジンはドコスカドコスカと文句も言わず頑張っています。
そんなゴミを食べさせられ、長時間働かされ吐く息まで綺麗にしろってのがSox規制です。

LSC導入の際にアロマ芳香族の話しが良く出ていました。
これは、ディーゼルエンジンとの相性が悪く着火点の遅れ(ノッキング)などが心配されていましたが、
高硫黄残渣油と低硫黄基材との親和性においては良いとされています(よく混ざる)

そこでパラフィン系基材が悪さをしていると仮定すると、ワックススラッジの原因の仮説が立てられます

私は重油はISO規格に基づき、しっかりと製造されていると思っていましたが
国内販売の重油に関してはJIS K2205規格で引火点・動粘度(50℃)・流動点・残留炭素分・水分・灰分・硫黄分によって
A重油、B重油、C重油と分けられ、どの低硫黄基材(軽油、灯油)を混ぜようがJIS K2205をクリアしていれば良いとなっています。

そして、そのパラフィン系基材を多く含むのが実は、ジェット燃料であります。

ジェット燃料は、灯油の主成分とほぼ同じで市販ガソリンよりも高いとされていますが、コロナ禍で行き場のない(輸出ストップ、国際線9割減便)ジェット燃料を低硫黄基材として使ったと言う仮説は、ありえるのではないでしょうか?

そしてトラブル時期も春先には症状が出てなく実際に今年の夏頃より悪くなったと言う証言が多い。

その2点からも原因の一つにジェット燃料があるのではないかと仮説します。

そして、パラフィン系基材と石油残渣の化学変化もしくは、回転系清浄器の成分分離によりワックススラッジが出ているのではないかと思うと、今回のトラブルの一端が見えてくるのではないかと思います。

これは産地偽装や原材料偽装問題と違って、普段より良いモノ混ぜてJIS規格に基づいて製造したら化学変化が起こり
船が便秘になったと言う状態なのかもしれません。

でも腹痛起こしている船をほったらかしにしておくわけにはいけません。

腹痛起こしたら、お粥や消化の良いもの食べるように
とりあえず、A重油で様子を見て、ジェット燃料の消費が持ち直せば、わざわざ高い低硫黄基材を入れないと思うので(あくまで仮説)
いずれ安定したLSCになるのではないかと思っています

これは、あくまでも私の仮説です。信じるか信じないかは、あなた次第です!

----お知らせ----

まもなく内航総連から適合油トラブルについての追加アンケートが来ます。
トラブルがあった機関部及び船主様は、是非とも思いの丈をぶつけてください。

国交省、海事局との我々船主、船員との橋渡し役が内航総連です。
我々の組合費から成り立っている内航総連です。頑張ってもらいましょう!

総連窓口の畑本氏は、機関1級甲板2級の海技免状を持ち 内航499から外航船まで機関長と甲板での実務経験があり、電子制御エンジンまで扱っています。
我々より遥かに知識と経験のある方が窓口ですので期待して大丈夫です。

2020.11.04    カテゴリ:  燃料概論 

   LSC(ローサルC)重油の重大トラブル対策について②

船舶に燃料油を提供する責任は用船者が負います。
ただし、現在の状況は用船者だけの問題ではありません。

石油メーカーもISO規格に基づき製造、出荷しているので一概に石油メーカーを責めるわけにもいけません。

しかし、現場では燃料フィルターが詰まり、短時間サイクルでの掃除もしくは、交換を余儀なくされています。

出てない船もいますが、出ている船が春先よりあきらかに多くなっているのが紛れもない事実です。



今できる対策としては、可能な限りA重油専焼にする事だと思います。

LSCもある程度のボリューム需要を持っていないと、大手はチャンピオン交渉などに影響が出るのかもしれませんが
この油質状態が続くのであれば、ただでさせ最少人数の現場が疲弊し、またフィルター交換など船主経済も疲弊します。

混合安定性に問題がある燃料は使わないと業界が需要で示せば、石油メーカーも考えてくれるのではないでしょうか?

現在、自社含め、いくつかの声が聞こえてくるのがA重油(LSA)においても、トラブルまではいかないがヘドロのようなスラッジが見られるとの事です。

もし今後、LSAでも同様な事が起こったと想像してください。
199-299でのデットシップ多発しますよ。




2020.11.02    カテゴリ:  燃料概論 

   LSC(ローサルC)重油の重大トラブル対策について①

適合油における燃料移送ポンプ(ねじポンプ式)の不具合については、内航総連より、調査及び対応策など注意喚起してきました。

またメーカーからも注意喚起文書が出ています
Screenshot_2020-11-02 techinfo_011 pdf


弊社でもC重油からA重油に切り替えた船で5ヶ月後に固着症状が見られ、ステーターを交換しました。

※固着したNBR製ステーター
IMG_4255_20201102113404e1f.jpg
※FKM製(フッ素ゴム)ステーター
IMG_4254_20201102113402705.jpg

交換の際に、鉄工所の話しだと、今月で3隻目だとの事でした(8月修理)
ですので内航総連が調査した時期の後にもトラブルは多く出ていると思います。


このステーターが定価ベースで60万ほどします。工賃、オフハイヤーなど考えるとすぐに100万仕事です。

対策としては、現在のNBRステーターから耐液性のあるFKM製(フッ素ゴム)のステーターに交換。
もしくは、ポンプそのものをギアポンプに換装する。

そして、シリーズでお伝えした主機前精密フィルターの対策として

①ROTフィルターなど使い捨てタイプのフィルターの場合フィルターの予備を多く確保する。
※メーカー在庫、生産は、逼迫しています

②ノッチワイヤー式フィルターの場合予備フィルターを用意し、解放時に予備と交換し、次の解放までに洗浄し、労務負担を軽減する。
※メーカー在庫、生産は逼迫しています

③主機前精密フィルターの増設。
再生可能なノッチワイヤー式コシ器を増設して、切り替え方式とする。
これは、現状ROTフィルターなど使い捨てタイプの精密フィルターの船においては、労務負担の軽減とこのまま油質が改善されないなら、トータルではコスト削減になると思います。

④海事局を通じて、石油メーカーに強く要望する。
どこのメーカーで入れてもハイオクの成分には違いがないように、舶用燃料もどこで取っても安心できる燃料で有るべきです。
船が腹痛起こすような燃料では、安全輸送に支障がでます。

ノッチワイヤー式の精密フィルターも、以前ならエアブローで簡単に洗浄出来ていたものが
かなり酷い汚れで洗浄も大変になってきています。

温水メタロン超音波洗浄がオススメです


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2020.10.30    カテゴリ:  燃料概論 

   LSC(ローサルC)重油の重大トラブル続出について④

大佐レポート

<燃料油の経路(CFO)>

  船体付タンク ⇒ コシ器①(32メッシュ)⇒ 移送ポンプ ⇒ セットリングタンク ⇒コシ器②(32メッシュ)⇒ 清浄機FOヒーター ⇒ FO清浄機 ⇒ サービスタンク ⇒コシ器③(120メッシュ)⇒ FO供給ポンプ ⇒ 主機関FOヒーター ⇒ コシ器④(35μ)⇒主機関

清浄機を通した後の1次コシ器(120メッシュ) 運転時間17時間での状態
(HSCの時は約200時間サイクル)


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<燃料油の経路(CFO)>

  船体付タンク ⇒ コシ器①(32メッシュ)⇒ 移送ポンプ ⇒ セットリングタンク ⇒コシ器②(32メッシュ)⇒ 清浄機FOヒーター ⇒ FO清浄機 ⇒ サービスタンク ⇒コシ器③(120メッシュ)⇒ FO供給ポンプ ⇒ 主機関FOヒーター ⇒ コシ器④(35μ)⇒主機関

清浄機を通した後の2次コシ器(35μ)主機前精密コシ器(ノッチワイヤー式) 
運転時間17時間での状態(HSCの時は約200時間サイクル)
※汚損状態は、200時間サイクルの時より悪い

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ある船主さんが、停泊中に清浄機を通して、燃料タンクに戻すと言う作業を繰り返してみたそうです。
普通に考えると燃料が段々と綺麗になっていく作業でありますが、余計に悪くなっていったそうです。

弊社事例でも清浄機を通しているにも関わらず17時間で清浄機後の1次コシ器、二次コシ器(精密フィルター)にこのようなスラッジがつく
もしかすると、遠心分離系清浄機だと通常のスラッジや水分だけでなく、製造成分まで分離してしまいそれが悪さをしているのではないか?
製油所における様々な低硫黄基材を混合して製造する際にHLCからLSCへの切り替え時期に使用した基材の種類や比率により、性状が現在、異なる可能性はないか?
それにより、LSC同士の混合安定性は、問題なしとされてきたが混合した後の清浄機で何らか異変が起こる事例があるのではないか?
高硫黄C重油と軽油を混合して製造するギャップフューエルとの他の製造方法のLSCとの混合安定性に問題が生じているのではないか?
コロナ禍で行き先のないジェット燃料の行方は?などとあらゆる想像をしてしまいます。

すでに、一部ではデッドシップが起こっていますが、まだコシ器の話しです。
今後、プランジャーや主機本体への影響の方が心配であり、既に2サイクルの外航船では、エンジントラブルは多発しております。
ライナーの異常摩耗、ピストンリングの折損 それに伴う部品納期が1年などと言う事例も聞かれます。

我々の海上輸送は、安全で安定輸送が使命です。
貨物の品質を保つのも使命です。
それを行う為に保守点検や安全マネジメントを求められています。

安心できない、安全じゃない燃料でそれを行うのは、いわゆる『無理ゲー』です。


AIや自動運航も大事ですが、機帆船時代のアカ汲みレベルのこの状態を石油メーカー、国交省、業界団体、メーカー交えてどうにかしましょう。


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