2017.12.12 カテゴリ: 新造船
世界初!ゲートラダー搭載 2500GT型コンテナ専用船しげのぶ 命名
井本商運株式会社(本社:神戸市)は12月7日、愛媛県の山中造船㈱においてかねてより建造中であった416TEU積のコンテナ専用船の命名式を行い、「しげのぶ」(船主:山中商船㈱)と命名しました。

本船は、2013年に就航した400TEU積の「さがみ」型の同型船であり、2016年就航の「さくら」に続く3番船として計画されました。
本船の最大の特長は、世界で初めてゲートラダーを装備したことです。


従来の舵は、プロペラの後方に取付けられていた為、推進力の抵抗となっていましたが、「しげのぶ」のゲート型ツインラダーは特殊形状の2枚の舵がプロペラの両側に位置するため、舵抵抗を低減し、推進力を無駄なく使うことができ、燃費が向上します。
また、低速時にはプロペラの水流を変えてスラスターの働きをすることにより、高出力のバウスラスターと相まって、離着岸時性能を飛躍的に向上させました。その上、プロペラの後ろの障害物がなくなったことで、船体振動・騒音を低減させました。
また、24時間主機を陸上から監視する「高度船舶安全管理システム」、造波抵抗を小さくするため山中造船独自の技術である「エラ船型(山中造船意匠登録)」を採用しております。
輸送能力は、特殊コンテナ輸送のニーズの高まりに対応し、艙内及び甲板上に40フィート冷凍コンテナを82本積載する能力を保有するとともに、危険物運送船適合証を取得し、艙内の危険物積載を可能としました。
本船は引渡しを受けた後、京浜・中京航路に就航する予定です。
当社は今後も、国際フィーダー貨物と国内貨物(動脈・静脈)のモーダルシフトによる海上コンテナ輸送の拡大を目指し、国際コンテナ戦略港湾及び我が国流通のさらなる省エネ化、低コスト化、多ルート化に寄与していく所存であります。
しげのぶ【Shigenobu】山中商船 井本商運 2500GT 3850DW【416TEU】
2017.12 山中造船 阪神内燃機工業 LH46LA 4500ps【C重油発停】
高度船舶安全管理システム搭載
LOA 111.40m B 17.80m D 8.50m
航海速力14.9ノット
主発 ヤンマー 6NY16L-SW 450KVA×2基
停泊 三井造船マシナリー 100KVA
スラスター かもめプロペラ 13t
ウインチ ヱスケヱ鉄工 SKウインチ
ライブカメラ・AIShipプラス エーアイエスライブジャパン
船内WIFI エーアイエスライブジャパン
プロペラ軸受 FFベアリング ミカサ
超低燃費型塗料 日本ペイントマリン A-LF-Sea
バラストコントロール 遠隔制御型タッチパネル 宇津木計器


ファンネルは井本商運

7段ブリッジ

操舵室

舵は-25°から110°まで切れます。
AIによる自動運航よりもこう言った設備による自動着桟の方が近い将来実現可能だと思います

タッチパネル式バラストコントロール
この他にもタブレットにてバラストコントロール可能です

阪神内燃機工業のエコねんぴシステム

ハッチカバーはポンツーン型(各ハッチ二枚独立開閉)

食堂・サロン

事務室

プープデッキも広いです

ハの字型ウインチ

エンジンルーム

主機は阪神内燃機工業 LH46LA 4500ps
C重油での発停可能

高度船舶安全管理システム搭載

清浄器は三菱化工機 SJ25H
FOは、二台搭載です

バラストコントロール

ウインドラス ヱスケヱ鉄工 SKウインチ

スラスター原動機は三菱重工エンジン&ターボチャージャー S12A2-T2 1110ps
能力は13t

排気管も小型内航船の主機並みです

ホールド

ゲートラダーマーク
船尾によく表示してある【暗車注意】【双暗車注意】とは、車へ対する注意ではなく、暗車→プロペラ 双暗車→二軸プロペラと言う意味です。

◆本船「しげのぶ」の特徴◆
1)船型
・全通二層甲板2450GT型コンテナ専用船として、積載能力の強化を図り、積載重量トン数を3850トンまで引上げて大型化した
・ホールド船首尾にエラ船型(山中造船意匠登録)を採用し、高効率プロペラのSG型可変ピッチプロペラを装着した。また、水槽試験を実施し推進性能を追求した省エネ船型とした。
・バウスラスターの推力を13トンとし、ゲートラダー(プロペラの両側に非対称翼型の舵を装備)の採用により離着桟時の操船性能が飛躍的に向上することが期待される。
・甲板室を7段構造とし、甲板上に9'6"コンテナを4段積載した場合の視界を確保した。
2)荷役作業
・高さの違うセルガイドを3種類設け(段違いになる)、荷役作業効率が向上した。
・甲板上にラッシングステージを設置し、荷役作業員の安全性が向上した。
・荷役作業の安全と作業の効率化のため、コンテナ連結資材はフルオートツイストロック方式を採用。
オンデッキコンテナ上での高所作業を回避し、全て陸上での脱着作業を可能とした。
3)冷凍コンテナ積載
・艙内冷凍コンテナ積載の為、排熱対策として通風機及び通風ダクトを設置した。
艙内の換気対策を行うことで40型冷凍コンテナを44本積載可能とした。
また、艙内と甲板上合わせ、電源プラグを82個設置した。
450KVA×2台、100KVA×1台の発電機を必要に応じて3台同時運転を可能とした。
・船橋に冷凍コンテナ監視装置を設け、各冷凍コンテナの使用状況及び内部温度の監視を可能とした。
4)危険物コンテナ積載
・艙内に火災警報、CO2消火設備を装備し、危険物運送適合証を取得。
・上甲板及び艙内に危険物コンテナを積載可能とした。
5)航海支援
・NK承認積付計算システムを設置することにより、コンテナの積載状態及び復原性を迅速、正確に確認可能。
また、各種の情報は本船と陸上間のデータ通信により相互確認を行う。
・GPS、AISと連動した電子海図システムを搭載し、本船位置を電子海図画面に表示し、周囲の船舶位置情報
を表示可能とした。
・航海状況監視カメラを搭載し、インターネット回線を介して船舶と陸上が海象状況や荷役作業進捗の画像情報を共有することを可能とした。
・船長、機関長、一航士室、機関制御室及び食堂にモニターを設置し、航海状況監視カメラ映像、電子海図映像を表示可能とした。
・バラストタンクの細分化で載貨効率向上を図る。
船底タンクには左右タンクに加えセンタータンクも採用し、他タンクと合わせ全19タンクとした。
・バラスト水遠隔制御装置を事務室に設置し、バラスト水の注排水管理を容易にした
また、250㎥/h×3台のポンプにより、バラスト水の注排水時間の迅速化を図る。
6)機関支援
・主機関の使用燃料は、長時間の停泊を除き、発停時、入出港時及び航海時ともにC重油を使用する。
・高度船舶安全管理システム(HANASYS EXPERT)を搭載。主機のデータをインターネット回線を介して主機メーカーが24時間監視を行い、異常の早期発見や故障の未然防止を行うシステムを導入。また、年間保守契約によりドック検査時の整備費用の削減を実現する。
・FO清浄機を2台搭載することにより、航海中のメンテナンスを可能とし、バックアップ体制も可能とした。
7)省エネ効果
・ALC付CPP(可変ピッチプロペラ)を搭載する事で、翼角を制御し常時、機関出力のフル活用が可能。
また、ALCを付加したことで負荷状況に応じ翼角を自動的に制御し、省エネ効果を高めた。
・日本ペイントマリン製超低燃費型船底防汚塗料「A-LF-Sea」を採用し、7~8%の燃料費削減効果を見込む。
・主海水冷却ポンプの流量をインバーターで制御し、消費電力を抑え、省エネ化を図る。
・ゲートラダー装備により、舵抵抗の低減、プロペラに対するダクト効果等により省エネを見込む。
8)船内環境
・居住区エアコンはセントラル式(ダクト式)とし、船橋はダクト式+独立型の併用とする。
・全室にLAN配線を行い、インターネット環境を充実した。
9)安全対策
・乗下船時における安全性を高めるため、起倒式タラップ(アルミ製両手摺)を採用した。(電動)
山中造船の本社前にオブジェとしてあるのが、このゲートラダーの元となった未来の舵
ゲートラダーは株式会社ケイセブン・かもめプロペラ株式会社が日本財団の助成(平成29~30年度)を得て、山中造船株式会社、東京計器株式会社との共同開発により試作されたもので、今後、実航海での省エネ性能などが検証される。【順不同】

公益財団法人日本財団
井本商運株式会社
山中造船株式会社【山中商船株式会社】
阪神内燃機工業株式会社
かもめプロペラ株式会社
AISライブジャパン
ヱスケヱ鉄工株式会社
【順不同】

本船は、2013年に就航した400TEU積の「さがみ」型の同型船であり、2016年就航の「さくら」に続く3番船として計画されました。
本船の最大の特長は、世界で初めてゲートラダーを装備したことです。


従来の舵は、プロペラの後方に取付けられていた為、推進力の抵抗となっていましたが、「しげのぶ」のゲート型ツインラダーは特殊形状の2枚の舵がプロペラの両側に位置するため、舵抵抗を低減し、推進力を無駄なく使うことができ、燃費が向上します。
また、低速時にはプロペラの水流を変えてスラスターの働きをすることにより、高出力のバウスラスターと相まって、離着岸時性能を飛躍的に向上させました。その上、プロペラの後ろの障害物がなくなったことで、船体振動・騒音を低減させました。
また、24時間主機を陸上から監視する「高度船舶安全管理システム」、造波抵抗を小さくするため山中造船独自の技術である「エラ船型(山中造船意匠登録)」を採用しております。
輸送能力は、特殊コンテナ輸送のニーズの高まりに対応し、艙内及び甲板上に40フィート冷凍コンテナを82本積載する能力を保有するとともに、危険物運送船適合証を取得し、艙内の危険物積載を可能としました。
本船は引渡しを受けた後、京浜・中京航路に就航する予定です。
当社は今後も、国際フィーダー貨物と国内貨物(動脈・静脈)のモーダルシフトによる海上コンテナ輸送の拡大を目指し、国際コンテナ戦略港湾及び我が国流通のさらなる省エネ化、低コスト化、多ルート化に寄与していく所存であります。
しげのぶ【Shigenobu】山中商船 井本商運 2500GT 3850DW【416TEU】
2017.12 山中造船 阪神内燃機工業 LH46LA 4500ps【C重油発停】
高度船舶安全管理システム搭載
LOA 111.40m B 17.80m D 8.50m
航海速力14.9ノット
主発 ヤンマー 6NY16L-SW 450KVA×2基
停泊 三井造船マシナリー 100KVA
スラスター かもめプロペラ 13t
ウインチ ヱスケヱ鉄工 SKウインチ
ライブカメラ・AIShipプラス エーアイエスライブジャパン
船内WIFI エーアイエスライブジャパン
プロペラ軸受 FFベアリング ミカサ
超低燃費型塗料 日本ペイントマリン A-LF-Sea
バラストコントロール 遠隔制御型タッチパネル 宇津木計器


ファンネルは井本商運

7段ブリッジ

操舵室

舵は-25°から110°まで切れます。
AIによる自動運航よりもこう言った設備による自動着桟の方が近い将来実現可能だと思います

タッチパネル式バラストコントロール
この他にもタブレットにてバラストコントロール可能です

阪神内燃機工業のエコねんぴシステム

ハッチカバーはポンツーン型(各ハッチ二枚独立開閉)

食堂・サロン

事務室

プープデッキも広いです

ハの字型ウインチ

エンジンルーム

主機は阪神内燃機工業 LH46LA 4500ps
C重油での発停可能

高度船舶安全管理システム搭載

清浄器は三菱化工機 SJ25H
FOは、二台搭載です

バラストコントロール

ウインドラス ヱスケヱ鉄工 SKウインチ

スラスター原動機は三菱重工エンジン&ターボチャージャー S12A2-T2 1110ps
能力は13t

排気管も小型内航船の主機並みです

ホールド

ゲートラダーマーク
船尾によく表示してある【暗車注意】【双暗車注意】とは、車へ対する注意ではなく、暗車→プロペラ 双暗車→二軸プロペラと言う意味です。

◆本船「しげのぶ」の特徴◆
1)船型
・全通二層甲板2450GT型コンテナ専用船として、積載能力の強化を図り、積載重量トン数を3850トンまで引上げて大型化した
・ホールド船首尾にエラ船型(山中造船意匠登録)を採用し、高効率プロペラのSG型可変ピッチプロペラを装着した。また、水槽試験を実施し推進性能を追求した省エネ船型とした。
・バウスラスターの推力を13トンとし、ゲートラダー(プロペラの両側に非対称翼型の舵を装備)の採用により離着桟時の操船性能が飛躍的に向上することが期待される。
・甲板室を7段構造とし、甲板上に9'6"コンテナを4段積載した場合の視界を確保した。
2)荷役作業
・高さの違うセルガイドを3種類設け(段違いになる)、荷役作業効率が向上した。
・甲板上にラッシングステージを設置し、荷役作業員の安全性が向上した。
・荷役作業の安全と作業の効率化のため、コンテナ連結資材はフルオートツイストロック方式を採用。
オンデッキコンテナ上での高所作業を回避し、全て陸上での脱着作業を可能とした。
3)冷凍コンテナ積載
・艙内冷凍コンテナ積載の為、排熱対策として通風機及び通風ダクトを設置した。
艙内の換気対策を行うことで40型冷凍コンテナを44本積載可能とした。
また、艙内と甲板上合わせ、電源プラグを82個設置した。
450KVA×2台、100KVA×1台の発電機を必要に応じて3台同時運転を可能とした。
・船橋に冷凍コンテナ監視装置を設け、各冷凍コンテナの使用状況及び内部温度の監視を可能とした。
4)危険物コンテナ積載
・艙内に火災警報、CO2消火設備を装備し、危険物運送適合証を取得。
・上甲板及び艙内に危険物コンテナを積載可能とした。
5)航海支援
・NK承認積付計算システムを設置することにより、コンテナの積載状態及び復原性を迅速、正確に確認可能。
また、各種の情報は本船と陸上間のデータ通信により相互確認を行う。
・GPS、AISと連動した電子海図システムを搭載し、本船位置を電子海図画面に表示し、周囲の船舶位置情報
を表示可能とした。
・航海状況監視カメラを搭載し、インターネット回線を介して船舶と陸上が海象状況や荷役作業進捗の画像情報を共有することを可能とした。
・船長、機関長、一航士室、機関制御室及び食堂にモニターを設置し、航海状況監視カメラ映像、電子海図映像を表示可能とした。
・バラストタンクの細分化で載貨効率向上を図る。
船底タンクには左右タンクに加えセンタータンクも採用し、他タンクと合わせ全19タンクとした。
・バラスト水遠隔制御装置を事務室に設置し、バラスト水の注排水管理を容易にした
また、250㎥/h×3台のポンプにより、バラスト水の注排水時間の迅速化を図る。
6)機関支援
・主機関の使用燃料は、長時間の停泊を除き、発停時、入出港時及び航海時ともにC重油を使用する。
・高度船舶安全管理システム(HANASYS EXPERT)を搭載。主機のデータをインターネット回線を介して主機メーカーが24時間監視を行い、異常の早期発見や故障の未然防止を行うシステムを導入。また、年間保守契約によりドック検査時の整備費用の削減を実現する。
・FO清浄機を2台搭載することにより、航海中のメンテナンスを可能とし、バックアップ体制も可能とした。
7)省エネ効果
・ALC付CPP(可変ピッチプロペラ)を搭載する事で、翼角を制御し常時、機関出力のフル活用が可能。
また、ALCを付加したことで負荷状況に応じ翼角を自動的に制御し、省エネ効果を高めた。
・日本ペイントマリン製超低燃費型船底防汚塗料「A-LF-Sea」を採用し、7~8%の燃料費削減効果を見込む。
・主海水冷却ポンプの流量をインバーターで制御し、消費電力を抑え、省エネ化を図る。
・ゲートラダー装備により、舵抵抗の低減、プロペラに対するダクト効果等により省エネを見込む。
8)船内環境
・居住区エアコンはセントラル式(ダクト式)とし、船橋はダクト式+独立型の併用とする。
・全室にLAN配線を行い、インターネット環境を充実した。
9)安全対策
・乗下船時における安全性を高めるため、起倒式タラップ(アルミ製両手摺)を採用した。(電動)
山中造船の本社前にオブジェとしてあるのが、このゲートラダーの元となった未来の舵
ゲートラダーは株式会社ケイセブン・かもめプロペラ株式会社が日本財団の助成(平成29~30年度)を得て、山中造船株式会社、東京計器株式会社との共同開発により試作されたもので、今後、実航海での省エネ性能などが検証される。【順不同】

公益財団法人日本財団
井本商運株式会社
山中造船株式会社【山中商船株式会社】
阪神内燃機工業株式会社
かもめプロペラ株式会社
AISライブジャパン
ヱスケヱ鉄工株式会社
【順不同】
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