2019.10.09 カテゴリ: 海運ニュース
岡山大学70周年記念/SDGsシンポジウム

「日本経済の持続的発展と内航輸送の高度化」
~デジタライゼイションがもたらす内航海運の今後の持続的発展と課題~


約200人くらいの参加者でした

この50年、機帆船から鋼船、近代化船から電気推進、電池推進へと船舶が進化してきました。
そして、現在残っている船主のほとんどが社歴50年クラスです



SDGsとは何か?
現在、多くの企業がSDGs(持続可能な開発目標)に取り組み始めています。
内航海運をとりまく環境は、船員の高齢化。船の高齢化。毎年、就業人口が100名づつ増えているのに、船員不足。
また若手にとって、厳しい労働環境など取り組むべき課題が山積み状態です。
この島国ニッポンでは重量物、大量安定輸送に内航船は、欠かせない物流の一つです。
船員の働き方改革の根本は、儲かる職業(高給職)にしなければなりません。
荷主があり、オペレーターがあり、船主、そして船員。それに付随して、代理店やステベなど持ちつ持たれつ、みんなで飯食ってきた業態です。
ムダやムラが一つの市場原理をつくり、100隻のマーケットに101隻いれば、船余りだ!返船!返船!とマーケットクラッシュ
99隻だと人参ぶら下げ、寄ってらっしゃいみてらっしゃい状態 高値でも新造発注OK!OK!とマーケットクラッシュ
もちろん、そう言ったムダやムラが気象海象、景気のバッファになったりもするのですが・・・
そう言った歴史を何度も繰り返し、体力ある船主は、内航に嫌気をさし、外航進出。
そして育成コストが捻出できない小規模船主同士で船員を奪い合い、段々船主業が疲弊し、運ぶ荷物あるのに船がいない。
船があるのに人がいない。人はいるのに、技量がない。
SDGs(持続可能な開発目標)には、程遠い業界になりつつあります。
ようやく、国交省が船員の働き方改革に本腰を入れ、業界が変わるきっかけを作ろうとしてくれています。
これは雇用者の船主だけでなく、その労働時間をメイキングするオペレーターの運航計画。
荷主の理解と安定輸送にむけての施策。
そして、船主も国際競争の波にさらされている事を理解しなければなりません。
じゃあどうするか。港から港へ荷物を運ぶと言う業態に多くの業者がぶら下がっています。
ここをデジタライゼイションによりスリム化していかないといけないのではないかと思います。
今まで、ベテランの腕や知識、経験が必要だったものが、どんどんAIに取って代わってきています
商船三井/AIで自動車船の貨物積付計画策定を効率化
デジタライゼイションとAIの進化は、船の業界には無理無理と言っている間に一気に追い越される可能性があります。
私は、20年後30年後の内航船は、物量の減少と共に限りなく専用船化が進み、工場間のパイプラインとしての役割。
今まで内航輸送の中心であった在来型と言われた199・499クラスが特殊船と言われる時代がくるのではないかと思います。
船員不足が先に来るのか、物量が減って船余りのが先に来るのかわかりませんが、時代のサイクルは、ものすごく短サイクルになっています。
この20年、リーマンショックや超円高などありました。
荷主の統廃合は進みましたがオペレーターや船主の倒産は、ほとんどありませんでした。
ある意味、特殊な業界なのかもしれません。暫定措置終了もすぐそこにやってきました。
その後の内航総連のありかたが未だ決まっていない状態ですが、SDGs(持続可能な開発目標)に向け
内航海運の立ち位置を皆で考えていく必要があると思います。
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