2021.05.31 カテゴリ: コラム
来島海峡の事故について
残念ながら1名の死亡確認 未だ2名行方不明ですが、
投げ出された乗組員9名のうち4名を救助したのが井本商運株式会社所属
船主 誠洋汽船株式会社の499コンテナ船 たかとり
今年の3月に山中造船にて竣工したばっかりの新造船です。
http://yamanaka-zousen.co.jp/wordpress/?m=202103
4人救助船長「乗組員は左後ろ部分に外国船船首が衝突と話す」【NHK】
まだ30歳と若手の岩間孝典船長の素晴らしい判断とシーマンシップだと思います。
小型船舶の試験では落水者救助のテストがありますが、実際に落水者を救助するには小型ボートでも大変です。
499コンテナ船だとデッキから水面まで3m~4m。船に搭載しているハシゴでも水面には届きかねると思います。
潮流がある中でスラスターやプロペラに巻き込まれないよう救助者に近づくのは至難の技だったと思います。
事故の詳細、原因についてはAISデータやSNS情報で様々な事が言われていますが、
原因については、公的機関が最終的にキチンと判断してくれるのでそれを待ちましょう。
事故については、複合的考える必要があります。
両船の付近同航船の状況はどうだったのか?
外国船に対するマーチスの指示は、どうだったのか?
両船の意思疎通はどうだったのか?
言える事は、ただ一つ 外国船には近づくな。大きく避けろ。
そして、来島海峡追い越し禁止ルール、もう一度見直した方がいいんじゃないですか?
超鈍足の外国船を先頭に大渋滞。
マーチスからは速力調整してくださいって言いますがFPPだと中立にするしかありません。
速力調整できるCPPも速力落ちたら舵が効きません。
そちらの方が危ないと思います。
近年稀にみる、大型内航船の事故です。小型外国船の往来も多い瀬戸内で禁止禁止でかえって、
不自由な状況にするのではなく事故をできる限り、少なくする仕組みが必要です
船は、車と違ってブレーキもありませんし、潮流に風に流される事もあります。
タンカーの着桟ルール 50mで平行維持なんて操船した事ない人が考えたとしか思えません。
動きや流れのある中で平行にしようとするから、ロープ巻き込み事故が多発するのです。
スラスターの網目を小さくしたら巻き込み事故が減るなんて事はありません。
かえってスラスターの効きが悪く事故に繋がります。
タンカーの着桟事故をなくす方法は、ただ一つ
全船、タグボート着桟。
それでも事故はゼロにできないかもしれません。
そして、ヒヤリハットを提出すると評価される風潮。これも何だかおかしい気がします。
私は、それがヒヤリハットをたくさん出すのが正と思っている会社こそ、ヒヤリハットだと思います。
内航でよく見られる事故の多くは、当人のドンくさい事例(通称:ドンくさいZ)によるヤハリヒット(いつか事故になると思っていたら、案の定事故にななった)
ハインリッヒの法則を否定しているわけではありませんがドンくさいZのおかげで多くのまともな人に手間を増やす事になっている状況が多く見て取れます。
「ハインリッヒの法則」」とは、労働災害の分野でよく知られている、事故の発生についての経験則。1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件の異常、いわゆるヒヤリハット(ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態)が隠れているというもの。「1:29:300の法則」とも呼ばれます。
こういった事故があった際、自分ならどうするか?
今は、昔のように武勇伝を語れるような経験を積まずに失敗が許されない世界です。
どうあっても事故は起こるものだから,そこから学んで次に活かす事が大事だと思います。
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マーチスが的確に支持していたんでしょうか。
交差する前に両船に減速支持を出していればここまでの事故にはなっていなかったんじゃないでしょうか。
マーチスがあらかじめ右舷対右舷の支持さえしていれば事故は防げてたのではないでしょうか。
日本船同士では無線通信で会話もできますが、外国船が相手の場合、マーチス頼りになると思います。
マーチスの責任は極めて重いと感じます。
来島マーチスはそんな行き会い関係になるまでマジで何やってたのって話
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