2021.06.08 カテゴリ: 新造船
祝 竣工 次世代省力化船 スマートアシストシップ ケミカルタンカー りゅうと
先週末、本瓦造船株式会社にて有限会社冨士汽船の液体苛性ソーダ専用船として次世代スマートアシストシップ199型内航小型ケミカルタンカー「りゅうと」が竣工いたしました。

りゅうと【RYUTO】 冨士汽船 邑本興産 トクヤマ 196GT 361DW【211m3】IMO TypeⅡ
2021.6 本瓦造船 ヤンマー 6EY17W 749kw(1018ps)
LOA 44.50m B 8.00m D 3.35m
トップサイドタンク付新船型
デジタルウインチ
操舵室遠隔ウインチ操作
荷役遠隔システム
バラストコントロール
ジョイスティック操船
スターンスラスター
距離感センサー(ミリ波レーダー)
主機・発電機データーロガー
ライブカメラ
定員5名
この船は、小型内航船の抱える人手不足と技術継承を3つのデジタル先進技術で補う船となっています。
☆集中荷役遠隔システム
荷役ポンプ・荷役バルブ・バラストポンプ・バラストバルブを操舵室で遠隔操作し、これまで手動計算であった積み付けを
機器類と連動して遠隔で行う事で酷暑や極寒の甲板荷役作業から船員を解放する事ができます。
☆遠隔監視システム
ISO船内サーバーを搭載し、各機器のデータを連動させ、総合的に分析し陸上とオンラインで結び、
荷役監視・機関監視の遠隔監視が可能となりました。
☆離着桟支援システム
船首船尾スラスター・デジタル電動ウインチ・船陸間距離センサー・遠隔集中操作統合パネル「ミライパネル」により
ジョイスティック操船、ブリッジからのウインチ操作。将来的にはプログラムによる自動離着桟、自動係船に繋がる設備を備えています

荷主は大手総合化学工業メーカー トクヤマ 運航は、邑本興産

ブリッジ
機器類が多い為、このクラスでは大きめの操舵室となっています。
今後、デジタル化が進むにつれ、問題となるのが機器類設置スペースとなっています。

遠隔集中操作統合パネル 『ミライパネル』(一般社団法人内航ミライ研究会製)
船首船尾スラスターと主機・舵機・ウインチが連動して操作できます。

操舵機
パノラマカメラで自船のアラウンドビュー状態にできます

通常の操作パネル
船首・船尾スラスターがレバーで動かせ、容易かつ安全に平行着桟が行えます

主機補機データーロガー・荷役制御パネル・バラストコントロールパネル
ISO船内サーバーで統合されているので、タブレット操作や遠隔での陸上操作も可能となります。
これまで大型内航タンカーやセメント船であった自動荷役と何が違うかと言うとISO船内サーバーで統合される事により
各機器間、船陸間のデーターを連動する事ができより革新的なIoT化が可能です。

ウインドラス
SKウインチ デジタル電動ウインチ&スマートデジタルウインチDIMW(ドラムインモーターウインチ)

デジタル電動ウインチ GBMW x 2台

スプリングウインチはスマートデジタルウインチDIMW(ドラムインモーターウインチ)
ブレーキもクラッチもありません

ロープは、石田製綱 タストンシリーズ

船尾 ムアリングウインチ
デジタル電動ウインチ GBMW x 1台2ドラム・スマートデジタルウインチDIMW(ドラムインモーターウインチ) x 1台

ブレーキは遠隔シリンダー方式

フライングパッセージ

パッセージはSUSエキスパンドメタル

ケミカル船特有の複雑なアッパーデッキ補強材をタンク内に収めることができる本瓦造船 特許取得のトップサイドタンク付船型

全タンク液面計装備

遠隔式荷役弁(エアー駆動式バタフライ弁)

ポンプ室 ポンプは大晃機械工業株式会社

ミリ波レーダー (岸壁までの船首・船尾距離がミライパネルに表示されます)
安全着桟には、自船と岸壁の距離・速度情報が大事ですが、人による伝達だとエラーも起こりやすいです。
デジタル化で数字を目視する事でより安全着桟に繋がります

死角の情報もカメラなどで補います

着離桟に重要な情報である鳥瞰図機能(bird's eye view)

AISライブジャパンのライブカメラシステムにより少人数運航をたくさんのカメラで補います。
自動運転が進む自動車業界でもカメラと自動運転・自動運航は切り離せません


機関室にもライブカメラ


主機はヤンマー 6EY17W 749kw(1018ps)

補機はヤンマー 6HAL2-WHT 250KVA×2

この船の見学で一番興味あった船尾スラスターの納まり

配電盤

居室は新ILO基準外の199GT以下なので二段ブリッジで狭いながらも工夫され居室5部屋確保
本瓦造船では、造船所内に居室モデルルームを作り、ワンランク上の居住空間を提案しています


内航船で一つ問題なのが結露
その対策として壁内換気システムを採用しています

室内の空気を24時間循環させることで結露を防ぎます

調光付き枕元コンセント

湿温計

下階へ降りると

サロンとキッチンギャレー



離岸作業
ウインチ操作と船首船尾スラスターの2マン体制


ジョイスティック操船によるワンマン体制


遠隔集中操作統合パネル 『ミライパネル』(一般社団法人内航ミライ研究会製)
機能だけでなくデザイン性も考慮しています。モードによって両端のバーの色が変化

私も沖でジョイスティック操船させてもらいましたが、想像以上の動きでした。
人手不足と技術の伝承、人材育成が課題の内航船をデジタル化により、誰でも扱える船にしていく。
この船は竣工が完成ではなく、アップデートを通じて進化していきます。
自動運航・無人運航・自動離着桟、「無理無理」と言っている間に時代は変わっていきます。
自動車の世界は、世界規模で日々大きく変化しています。
「行動しなければ始まらない」「誰かが始めなければならない」
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。
報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。
- 羽生善治 -
このプロジェクトを決断した、冨士汽船 畝河内社長をはじめ、関係者の皆様 ご竣工誠におめでとうございます
株式会社トクヤマ
有限会社冨士汽船
株式会社邑本興産
本瓦造船株式会社
ヤンマー
株式会社SKウインチ
ナカシマプロペラ株式会社
ユニカス工業株式会社
一般社団法人内航ミライ研究会
プロジェクトに参加された各メーカー様
【順不動】
船員不足 デジタルで解決 NHK愛媛 ひめポン 支局でポン 今治
https://www.nhk.or.jp/matsuyama/himepon/movie/movie_210604-1.html

りゅうと【RYUTO】 冨士汽船 邑本興産 トクヤマ 196GT 361DW【211m3】IMO TypeⅡ
2021.6 本瓦造船 ヤンマー 6EY17W 749kw(1018ps)
LOA 44.50m B 8.00m D 3.35m
トップサイドタンク付新船型
デジタルウインチ
操舵室遠隔ウインチ操作
荷役遠隔システム
バラストコントロール
ジョイスティック操船
スターンスラスター
距離感センサー(ミリ波レーダー)
主機・発電機データーロガー
ライブカメラ
定員5名
この船は、小型内航船の抱える人手不足と技術継承を3つのデジタル先進技術で補う船となっています。
☆集中荷役遠隔システム
荷役ポンプ・荷役バルブ・バラストポンプ・バラストバルブを操舵室で遠隔操作し、これまで手動計算であった積み付けを
機器類と連動して遠隔で行う事で酷暑や極寒の甲板荷役作業から船員を解放する事ができます。
☆遠隔監視システム
ISO船内サーバーを搭載し、各機器のデータを連動させ、総合的に分析し陸上とオンラインで結び、
荷役監視・機関監視の遠隔監視が可能となりました。
☆離着桟支援システム
船首船尾スラスター・デジタル電動ウインチ・船陸間距離センサー・遠隔集中操作統合パネル「ミライパネル」により
ジョイスティック操船、ブリッジからのウインチ操作。将来的にはプログラムによる自動離着桟、自動係船に繋がる設備を備えています

荷主は大手総合化学工業メーカー トクヤマ 運航は、邑本興産

ブリッジ
機器類が多い為、このクラスでは大きめの操舵室となっています。
今後、デジタル化が進むにつれ、問題となるのが機器類設置スペースとなっています。

遠隔集中操作統合パネル 『ミライパネル』(一般社団法人内航ミライ研究会製)
船首船尾スラスターと主機・舵機・ウインチが連動して操作できます。

操舵機
パノラマカメラで自船のアラウンドビュー状態にできます

通常の操作パネル
船首・船尾スラスターがレバーで動かせ、容易かつ安全に平行着桟が行えます

主機補機データーロガー・荷役制御パネル・バラストコントロールパネル
ISO船内サーバーで統合されているので、タブレット操作や遠隔での陸上操作も可能となります。
これまで大型内航タンカーやセメント船であった自動荷役と何が違うかと言うとISO船内サーバーで統合される事により
各機器間、船陸間のデーターを連動する事ができより革新的なIoT化が可能です。

ウインドラス
SKウインチ デジタル電動ウインチ&スマートデジタルウインチDIMW(ドラムインモーターウインチ)

デジタル電動ウインチ GBMW x 2台

スプリングウインチはスマートデジタルウインチDIMW(ドラムインモーターウインチ)
ブレーキもクラッチもありません

ロープは、石田製綱 タストンシリーズ

船尾 ムアリングウインチ
デジタル電動ウインチ GBMW x 1台2ドラム・スマートデジタルウインチDIMW(ドラムインモーターウインチ) x 1台

ブレーキは遠隔シリンダー方式

フライングパッセージ

パッセージはSUSエキスパンドメタル

ケミカル船特有の複雑なアッパーデッキ補強材をタンク内に収めることができる本瓦造船 特許取得のトップサイドタンク付船型

全タンク液面計装備

遠隔式荷役弁(エアー駆動式バタフライ弁)

ポンプ室 ポンプは大晃機械工業株式会社

ミリ波レーダー (岸壁までの船首・船尾距離がミライパネルに表示されます)
安全着桟には、自船と岸壁の距離・速度情報が大事ですが、人による伝達だとエラーも起こりやすいです。
デジタル化で数字を目視する事でより安全着桟に繋がります

死角の情報もカメラなどで補います

着離桟に重要な情報である鳥瞰図機能(bird's eye view)

AISライブジャパンのライブカメラシステムにより少人数運航をたくさんのカメラで補います。
自動運転が進む自動車業界でもカメラと自動運転・自動運航は切り離せません


機関室にもライブカメラ


主機はヤンマー 6EY17W 749kw(1018ps)

補機はヤンマー 6HAL2-WHT 250KVA×2

この船の見学で一番興味あった船尾スラスターの納まり

配電盤

居室は新ILO基準外の199GT以下なので二段ブリッジで狭いながらも工夫され居室5部屋確保
本瓦造船では、造船所内に居室モデルルームを作り、ワンランク上の居住空間を提案しています


内航船で一つ問題なのが結露
その対策として壁内換気システムを採用しています

室内の空気を24時間循環させることで結露を防ぎます

調光付き枕元コンセント

湿温計

下階へ降りると

サロンとキッチンギャレー



離岸作業
ウインチ操作と船首船尾スラスターの2マン体制


ジョイスティック操船によるワンマン体制


遠隔集中操作統合パネル 『ミライパネル』(一般社団法人内航ミライ研究会製)
機能だけでなくデザイン性も考慮しています。モードによって両端のバーの色が変化

私も沖でジョイスティック操船させてもらいましたが、想像以上の動きでした。
人手不足と技術の伝承、人材育成が課題の内航船をデジタル化により、誰でも扱える船にしていく。
この船は竣工が完成ではなく、アップデートを通じて進化していきます。
自動運航・無人運航・自動離着桟、「無理無理」と言っている間に時代は変わっていきます。
自動車の世界は、世界規模で日々大きく変化しています。
「行動しなければ始まらない」「誰かが始めなければならない」
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。
報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。
- 羽生善治 -
このプロジェクトを決断した、冨士汽船 畝河内社長をはじめ、関係者の皆様 ご竣工誠におめでとうございます
株式会社トクヤマ
有限会社冨士汽船
株式会社邑本興産
本瓦造船株式会社
ヤンマー
株式会社SKウインチ
ナカシマプロペラ株式会社
ユニカス工業株式会社
一般社団法人内航ミライ研究会
プロジェクトに参加された各メーカー様
【順不動】
船員不足 デジタルで解決 NHK愛媛 ひめポン 支局でポン 今治
https://www.nhk.or.jp/matsuyama/himepon/movie/movie_210604-1.html
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