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海運ニュース

2022.05.30    カテゴリ:  操船シュミレーター 

   神戸海洋技術株式会社

井本商運株式会社が4月に設立した、船員の育成を手掛ける新会社「神戸海洋技術」を見学してきました。
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操船シュミレーターとERM(エンジンルームリソースマネジメント)電気系統のシュミレーターなどを揃え
船種はなとり型、さがみ型、749コンテナ船、499コンテナ型、499一般貨物船、499タンカーを揃えています。
主機、スラスターを使って着離桟まで出来るシステムです。

指令室
風力や気象海象のデータを操作して暴風などの極端な状況も再現できます
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実際、私も触らせてもらいました。
雨、風速10mの中、神戸ポートアイランド PI-M バース前 船種は749コンテナ
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バース前に来るとロープも出てきます。フェンダーにタッチするとギューっと音まで出る精巧さ。
久しぶりの操船で初めての749でしたがなんとか無事着桟。
現在、ウイング視点になってますが、両舷、センターの視点も可能。
ワイパーもホンモノのようにふき取ります
S__57327630.jpg
双眼鏡もシュミレーターと同じように見えます。
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操舵スタンド ここは採用する機器メーカーによって組み合わせは自在にできます。
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後方視界も再現
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なとりの航行データを鳥瞰図で再現。付近船舶も同様に再現しているので、ヒヤリハットや事故再現だけでなく、着離桟の教育にも使えると思います。
電子海図の弊害かもしれませんが、分図視点の若者が増え、備讃瀬戸のこの辺りと言う視点が抜け電子海図を見ているので、居室の窓からパッと外を見た時に、この辺りを走っていると言う感覚がわからない人が増えたと聞きます。

最近の海難事故をよく検証してみると、居眠りなどの不可抗力より、俯瞰的に考える能力の欠如による判断ミスも一因だと言えるのではないかと思います。この俯瞰的データだと、文章で説明するよりも一目瞭然で、俯瞰的に考える力もつくと思います
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ERM(エンジンルームリソースマネジメント)
エンジンも高度化し、電子制御エンジンやシステム化により、システムを扱える人の育成も急務です。
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電気系統のシュミレーター
もしかしたら、船が止まるトラブルの大部分が電気系統かもしれません。
いきなり壊れたと船から連絡あり、メーカー行かせたら主電源が落ちてただけと言う笑い話は良くある話しですが
陸側もいきなり壊れたと言う知らせには、「機関長、もう一回だけでいいから主電源見てくれ、そして中間にスイッチがないか確かめてくれ」と言うだけで数十万助かる事もあります。
電気、電子の基礎知識は、持っていて損はないし、今から船が自動化、自律化へ向けていくためには、機関部も甲板部も掛け算として電気、電子が触れる航海士。電気、電子知識のある機関士として価値ある船乗りになるのではないでしょうか?
今は、船員不足で誰でもモテモテの時代ですが、それは、あなたの価値なのか、あたま数なのか若手は認識していた方が良いと思います。
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座学室
今後は、海技系の学校とも連携して免許取得までが目標だそうです。
また先般就航した、670TEU型のがみ が最大10名の実習生を受け入れる設備を有しているので井本商運の関連会社ではありますが、一社で教育、シュミレーター、実習、習熟訓練、トライ&エラーまで可能です。
船の大きさも499GTから7000GTクラスまでありますのでスキルアップ、ステップアップも可能となります。
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船員不足と共に、どの会社も船員育成と技術継承が課題となっています。
しかし、現実は現場上司(運)と本人の資質(センス)によるところが多く、育成環境としては、良くない業界だと思います。
今やスーパー船長とスーパー機関長と言われている人も最初は、素人同然です。そして、冷や汗かいたり、ゴールデンボールが縮み上がる経験を経て、努力した結果今があるのです。

でも実際には、そんなヒヤリハットや失敗は、ご法度です。失敗が許されない中、どうやって若手は技術を付けていくのか。

失敗を恐れて何もしないよりも、トライ&エラーを重ねながらデジタルとアナログの共生で挑戦していく。
実際の現場では、着離桟練習も狭水道の当直練習も毎日出来る訳ではありません。生存者バイアスでセンスある人だけが生き残っていくのを待つのは生産性が低いです。

車や船も自動化や自律化などアシストの分野に注目が集まっていますが、育成、技術伝承もデジタル技術などを使いアシストしていく時代だと思います。そうすれば、多くのトライ&エラーを実際に失敗する事なく経験でき、現場に反映する事も可能です。

井本社長が仰っていましたが、最後は人間性教育なんだよなぁ・・・と

離職しても、同一賃金もしくは、それ以上がある内航業界なので転職も多いですが、ステップアップの転職、環境を変える為の転職は、良いと思いますが良い会社に巡り合えない、楽な仕事がしたいと転職を繰り返す人は己に原因がある場合が多いです。
SNSで散見する情報は、オモテと裏があるので良く吟味した方が良いと思います。
@itoshun0425

入職して6ヶ月の僕が、最も尊敬している先輩に飲み会で言われた言葉。当初、環境に対して不満ばかり持っていた自分だった。その時はわからなかった言葉の意味が、今ならわかる。他人のせいでも、環境のせいでもない。全て自責。そう知ってからがスタートだった。

♬ Ghibli-like piano solo ballad(957146) - tomori



現在は、自社育成用ですが将来的には他社の船員も受け入れる方針だそうです。
こう言った利他の精神が業界にうまく寄与する事を期待します。

クレーン技術日本一などのように技術を競う事は、船では難しい(同条件が作れない)ですが
シュミレーターなら操船技術日本一を決める大会も可能かもしれません。


生き方


井本商運株式会社

神戸海洋技術株式会社

株式会社日本海洋科学
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