2022.10.05 カテゴリ: 海運ニュース
内航船主は『保有資産リスク請負業者』
内航船主は、一種の資産保有リスク請負業者
これは10月3日の内航新聞 岡山大学津守教授の寄稿の一文であります。
まさに内航船主業(内航貸渡業)を表現するに的を得た表現です。
我々、内航船主(とりわけ弊社のような小規模事業者)が、この言葉をどう思って事業を行っているのか。
とーちゃん社長、かーちゃん専務のような小規模事業者が金融機関から億の借り入れができているのは何故か。
会社や会社の将来性に融資価値があるのではなく、その船についている用船保障と言う保証されていないペーパーに融資価値があるのです。
また、その契約書よりも優先されるのが法的根拠のない協定書と言うのが内航業界の商習慣です。
じゃあ、文句あるならお前が荷主と交渉できるのか?と言われてもできない(やろうともしてこなかった)のが内航船主なんです。
昔は、良い意味で持ちつ持たれつの関係が形成されていました。
内航海運は、外航のように上昇マーケットに連動せず、下降マーケットには過敏に反応。
リーマンショックでは、ジャパネット高田もびっくりの用船料499GT 400万円割引をやってのけた会社もあったくらいです。
多少の景気変動による収入の増減はあっても来月の収入を心配する必要もないし、新造当時に一度どーんと借りたら、今宵の金策に走る必要もないのが内航船主。
生かさず殺さず低位安定業種と言っても過言では、ありませんが、その用船保障と言うペーパー1枚で億単位のリスクを背負っている事は、忘れてはいけません。
船乗りの言葉で、「板子一枚下は地獄」と言う言葉がありますが、「用船保障一枚下は地獄」なんです。
金策に走る必要がない人が多いですが、ほとんどの船主が人探しに始まり、人探しに終わる一年を毎年すごしています。
職業 人探しと言っても過言ではありません。
また、暫定措置事業終了と言う内航事業者の共通目標をかかげ、調整役としてやってきた内航総連も場所を存続させるために目標を模索している状態。だからYoutube 1本に100万円かけてみたり、EB債5億運用して3800万もの損失を出したりするんだと思います。
オペレーターもかつては、海運マンとして荷主と船主の調整役から子会社化された事などにより、オペ社長が荷主の天下りと言う事例も多く使用人になりつつあります。そして親に逆らえない状態になってしまいました。
長期で考えないといけない業種が、荷主の天下りで腰かけ短期政権。
海上と言う特殊な業種なのに、プロパーだとほとんど社長になれないのがこの業界。
そういった背景の中で内航海運業をどう進めていくか。
人口と共に物量が減り、工場の集約などで一時的には転送需要がありますが工場間輸送も減ります。
また、物流の効率化で専用船化、コンテナ、ROROで運べるものは、限りなくそちらへ流れていきます。
現在、内航で一番隻数のある在来型と呼ばれる一般貨物船199-499が近い将来、特殊船(専用船で運べない貨物)と呼ばれる日もそう遠くないと感じています。
では、生き残ればいいことあるかと言えば、価値を見出していかない限り、残っても食えない商売、残っても儲からない商売になる可能性は、あると思います。
現在、DX化などで内航に商機を求め、多くの企業が参入してきていますが、内航海運はブルーオーシャンでもレッドオーシャンでもなく、砂漠に種まいて、水やって、肥料やって、「何で芽が出ないんだろう?」と言う状態だと思います。
畑を変え、芽が出るところにいくしかないと思います。それが外航や近海進出の人もいるでしょうし、オペレーター業などに進む人もいるでしょう。これまでの自社管理のノウハウを生かし、管理業や派遣業も一つの道かもしれません。
内航輸送は、今後も日本経済には必要です。
荷主とオペと船主と船員が一体となって、持続可能な経営、子供がなりたい職業ランキング50位以内が内航船員/船乗りになる事が大切だと思います。
今日明日で船が減っても、今日明日で船が増える事はありません。

日本のコンテナ港湾政策 ー市場変化と制度改革、主体間関係ー

東アジア物流体制と日本経済―港湾機能の再配置と地方圏「国際化」 (岡山大学経済学研究叢書)
これは10月3日の内航新聞 岡山大学津守教授の寄稿の一文であります。
まさに内航船主業(内航貸渡業)を表現するに的を得た表現です。
我々、内航船主(とりわけ弊社のような小規模事業者)が、この言葉をどう思って事業を行っているのか。
とーちゃん社長、かーちゃん専務のような小規模事業者が金融機関から億の借り入れができているのは何故か。
会社や会社の将来性に融資価値があるのではなく、その船についている用船保障と言う保証されていないペーパーに融資価値があるのです。
また、その契約書よりも優先されるのが法的根拠のない協定書と言うのが内航業界の商習慣です。
じゃあ、文句あるならお前が荷主と交渉できるのか?と言われてもできない(やろうともしてこなかった)のが内航船主なんです。
昔は、良い意味で持ちつ持たれつの関係が形成されていました。
内航海運は、外航のように上昇マーケットに連動せず、下降マーケットには過敏に反応。
リーマンショックでは、ジャパネット高田もびっくりの用船料499GT 400万円割引をやってのけた会社もあったくらいです。
多少の景気変動による収入の増減はあっても来月の収入を心配する必要もないし、新造当時に一度どーんと借りたら、今宵の金策に走る必要もないのが内航船主。
生かさず殺さず低位安定業種と言っても過言では、ありませんが、その用船保障と言うペーパー1枚で億単位のリスクを背負っている事は、忘れてはいけません。
船乗りの言葉で、「板子一枚下は地獄」と言う言葉がありますが、「用船保障一枚下は地獄」なんです。
金策に走る必要がない人が多いですが、ほとんどの船主が人探しに始まり、人探しに終わる一年を毎年すごしています。
職業 人探しと言っても過言ではありません。
また、暫定措置事業終了と言う内航事業者の共通目標をかかげ、調整役としてやってきた内航総連も場所を存続させるために目標を模索している状態。だからYoutube 1本に100万円かけてみたり、EB債5億運用して3800万もの損失を出したりするんだと思います。
オペレーターもかつては、海運マンとして荷主と船主の調整役から子会社化された事などにより、オペ社長が荷主の天下りと言う事例も多く使用人になりつつあります。そして親に逆らえない状態になってしまいました。
長期で考えないといけない業種が、荷主の天下りで腰かけ短期政権。
海上と言う特殊な業種なのに、プロパーだとほとんど社長になれないのがこの業界。
そういった背景の中で内航海運業をどう進めていくか。
人口と共に物量が減り、工場の集約などで一時的には転送需要がありますが工場間輸送も減ります。
また、物流の効率化で専用船化、コンテナ、ROROで運べるものは、限りなくそちらへ流れていきます。
現在、内航で一番隻数のある在来型と呼ばれる一般貨物船199-499が近い将来、特殊船(専用船で運べない貨物)と呼ばれる日もそう遠くないと感じています。
では、生き残ればいいことあるかと言えば、価値を見出していかない限り、残っても食えない商売、残っても儲からない商売になる可能性は、あると思います。
現在、DX化などで内航に商機を求め、多くの企業が参入してきていますが、内航海運はブルーオーシャンでもレッドオーシャンでもなく、砂漠に種まいて、水やって、肥料やって、「何で芽が出ないんだろう?」と言う状態だと思います。
畑を変え、芽が出るところにいくしかないと思います。それが外航や近海進出の人もいるでしょうし、オペレーター業などに進む人もいるでしょう。これまでの自社管理のノウハウを生かし、管理業や派遣業も一つの道かもしれません。
内航輸送は、今後も日本経済には必要です。
荷主とオペと船主と船員が一体となって、持続可能な経営、子供がなりたい職業ランキング50位以内が内航船員/船乗りになる事が大切だと思います。
今日明日で船が減っても、今日明日で船が増える事はありません。

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