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海運ニュース

2023.02.08    カテゴリ:  海運ニュース 

   今こそ順中逆西(じゅんちゅうぎゃくせい)の再考を

先週の痛ましい来島海峡の事故。そして、ほぼ同じ海域(来島西口出口)での一昨年のRORO船の事故。

3人死亡の衝突事故で沈没した船、春にも引き揚げ

※引き揚げ費用は約100億とも言われ、JPI保険が業界全体で約15%以上、上がると言う結果になっています。

世界的にも異例の航法「順中逆西」を採用している来島海峡。これは順潮の場合は舵の効きが悪くなり操船が難しくなるため、屈曲が小さくて水道の長さが短い中水道を通り、逆潮の場合は潮流に逆らって航行することで舵効きが良くなるため、大きく屈曲した西水道を通るようにしたものです。

西口での事故が多いのは、航路を抜けた後にいくつもの交差が起こる為です。
西航は、広島、クダコ、釣島方面 東航は、来島、有津、大下(三原)方面。
統計を取ったら出てくると思いますが、事故の割合が多いのは、逆西、もしくは逆西への転流の時です。

海運豆知識【明和海運】来島海峡の潮流の流向によって航行する航法「順中逆西(じゅんちゅうぎゃくせい)」って何?

それに加え平成 22 年7月1日から、新たな航法として導入された「来島海峡航路 追越しの禁止」。
これにより、現場では何が起こっているか。

低速の外国船による、後続大渋滞。マーチスからは、速力を調整してくださいと指示がでます。
CPPの船は、極力下げれますが舵効きは、悪くなり、最悪効きません。
逆転機の船はデッドスローでも499クラスで5ノット以上出ます。
それ以下に落とすには、航路内でストップエンジンです。そうすれば舵は効きません。
さんざん、指示や警告をした挙句、本当に危なくなったら「最後は船長判断でお願いします」が常套句。

平成22年から来島航路の航路内乗揚げは、何度も目にしました。航路内での接触もあります。
事故を減らす為の航法改正であるべきなのに、かえって事故が増える状態となっています。

昔とは、馬力も違います。昔の人の知恵だった順中逆西と言う航法を現代の輻輳海域に当てはめる事の方が無理があるのではないでしょうか?
もちろん順中逆西の航法改正には、大きな混乱が生じると思いますが、これだけ大規模海難が続いた今。考え直すべき時期にきているのではないでしょうか。

痛ましい海難事故が起こった時に、何を思うか。現代では失敗が許されず経験値を求められます。
事故を自分の事として考えシミュレーションする事で経験値アップにつながるのではないかと思います。
よく老害と言われる、年配者のモリモリの武勇伝も時に役立つ情報です。

学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である


そして、現在 マリントラフィックやAISアプリで簡単に船舶情報、航跡が入手できます。
そのデータは、あくまでも趣味レベルの参考データ。真実は一つしかありません。

たまに、海難事故が起こるとマリントラフィックデータを使って、ニュースなどで大真面目に解説している、海洋漫才師・・・もとい自称専門家もいますが、本当に恥ずかしいレベルの解説です。

現場船員から鼻で笑われるような解説ならまだ良いのですが、その趣味レベルのマリントラフィックデータやAISアプリデータが裁判の資料として使われるケースもあります。笑えないことに、それが証拠として通る場合だって可能性があるのです。

我々、船主がそう言った事に巻き込まれた際の自己防衛策として、より精度の高いAISデータを自己保有しておく事。

現時点で、国内で一番精度の高いAISデータはAISライブジャパンのエーアイシップ以外にありません。

今回の件で、来島海峡の航法や安全について国交省で委員会が開かれる事もあるかもしれませんが、
是非とも現場を知らない有識者より、毎日通狭する大型フェリーの現役船長、大型、小型の内航船の船長などを入れて
本当の安全な航法について議論していただきたいと願います。

私の友人が現場付近を航行していましたが、当時マーチスから両船へ指示があったそうです。
両船同士がVHFにて意思の疎通が出来ていたか。そのあたりに原因はありそうですが、真実は一つ。
今後、海難審判で明らかになる事でしょう。


航法理論詳説 [ 石田正一 ]

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